かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

不思議な好意

 かなり前にブログに登場したマイさんが本日退職した。

 最初ってどんな感じだったかなあと、マイさんについて書いたブログを読み返してみたところ、当初の評価はわりと高めのところにあった様子。あの頃から時間が経った今、マイさんの評価はかなり低いところにある。

 仕事の不手際だったり、態度だったり、いろいろな問題に直面して、とてもじゃないけどマイさんを好意的に評価できないなという感じになってしまった。

 そんなマイさんが退職するということで、彼女が色紙を用意して、似顔絵まで描いてあげていた。そこにみんなで寄せ書きをして、今日それを渡したのだけど、マイさんは大感激といった様子で、全然用意してくれてたの気づかなかったです~!と喜んでいた。

 彼女の描いた似顔絵に関しても、私こんなだ!ってはしゃぎながら、やっぱり凄いなあ素敵だなあとつぶやいて、惚れ惚れした様子だった。

 その後、今日休みで直接会わなかった彼女に、マイさんからお礼の連絡が入ったらしい。なかなか長文の、絵文字とかいっぱい使った女子力高めのやつが。

 前々から、彼女に対して擦り寄るというと言い方は悪いけど、下手に出て持ち上げてくるような感じの態度だったマイさん。彼女はそれを仕事上の付き合いを円滑にするための媚びのようなものだと思っていたらしいんだけど、仕事を終えたこのタイミングでも彼女に対しての態度が変わることはなく、文章からは彼女に対する好意や尊敬の念のようなものさえ感じられた。

 彼女からすれば、そのような好意を持たれる覚えはなく、素直に喜べないし腑に落ちないようだ。ましてや相手に好感を抱いてない状態だしね。

 少しマイさんについて考えてみることで、彼女に対する好意の正体を探ってみようと思う。

 マイさんは、後先考えずに行動するタイプで、おそらく熟考というものをしない。こうだ!と思ったらダメな可能性とか失敗する可能性を考えずに、とりあえずやってみちゃうという雰囲気がある。思ったことを遠慮なく(本人は我慢して遠慮していると思っているようだが)言うのも、これを言ったらどういう結果になるかというのを考えていないからだと思われる。

 人の話をあまり聞かない、周囲の自分に対する評価もあまり気にしない。自分がミスしてもへこまない。

 全体的に自分の感情や感覚に素直にしたがって行動しているんだろうなあって感じだ。

 好意的に評すれば素直と言える。

 そこから考えると、マイさんの彼女に向けられた好意というのは、素直な感情の発露と言える。マイさんの性格から推測するに、それを伝えて彼女がどう考えるとか、彼女にどのような影響を与えるのかということについては想像できていないように思える。

 彼女に気に入られたいから媚を売っておこうという考え方ではないと思う。そもそも仕事を辞めたことで、自らがアクションを起こさなければ自然に彼女との交流は終わるわけで、わざわざ連絡を取るということは、彼女に対する純粋な好意を物語っている。

 なぜ好意を持ったのか、ということに関しては、正直よく分からない。僕が感じているような彼女の魅力的な部分の何かを、マイさんも掴んだのかもしれない。

 マイさんが何度か彼女のことを素敵と言っていたことからもそんな風に考えられる。マイさんが言った言葉に関しては、裏の意味を込められるほど考えて発言するとは思えないので、言葉をそのまま受け取ってもいいんじゃないかなと思う。

 もしかしたらだけど、マイさんより少し年上な彼女が、マイさんにとってお姉さん的な存在に見えていたのかもしれない。何かで、彼女のことを素敵!と感じて、尊敬するようになったのかもしれない。

 僕から見ても、間違いなくマイさんよりも彼女のほうが有能だし、失礼男が言うように、可愛さとか女性的魅力に関しても彼女のほうが上だ。

 彼女自身はそう思えないかもしれないけれど、マイさんが彼女を見て尊敬や憧れの念を抱くことはそれほど不思議なことではないと言える。だいたいのステータス彼女のほうが上なんだから。

 彼女が誰かにすごく気に入られることって前からあったけど、彼女もその人に対して好意を持っているというパターンがほとんどで、今回のような、彼女はそれほどマイさんのことが好きではないのにマイさんは彼女のこと好きというパターンは珍しい。

 彼女も戸惑うわけだ。

 でもまあ、マイさんが彼女に好意を持っているという状態は特別悪い気がするものでもなく、僕からすればマイさんから見ても彼女は素敵な人だったんだなあと嬉しく思うくらいだ。

 だめな部分がたくさんあって、ふざけんなと思ったことも何度もあったけど、最後の最後で、僕の中のマイさんの評価は少しだけ上がった。

 好きな人を褒められたら嬉しいもんね。

 おわり。