かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

繋がっていく感情

 つまらないという感情と寂しさは似ている。

 彼女はよくつまらないと言うけど、それは寂しさとも関係があるのではないかと思った。というのも、僕がふと寂しいなあと感じたときに、なにか満たされないような、物足りないような感じがして、とたんに身の回りのものに楽しさを見いだせなくなってしまった、ということがあったからだ。それがつまらないという感覚に繋がってくる。

 自分で楽しいことを探そうにも、手がつかない。何か楽しいものを見て気分転換しようにも、全く心が動かされない。そんな状態になってしまう。

 彼女がいつも、つまらないと言うときはこんな感覚なのかなって思った。

 だとすれば、かなり心が沈み込んでいて、助けを求めたくなる気持ちも良くわかる。この感覚を自力でどうにかするのはなかなか困難だろう。

 ただし誰かが助けの手を差し伸べてくれたとしても、それによって元気になるのもまた困難な話で、心にまとわりついた憂鬱さを吹き飛ばしてくれるような、勢いのあるなにかを与えてもらわないといけない。

 そこがやはり励ます側としては苦労する部分で、いくら何かを提示してもそれによって彼女を元気づけられなければ、探す気力が失われてくるし、しんどくもなる。ただ、励まされる側も必死である。相手がこちらを気遣ってくれているのは伝わってくるし、それを受けて元気が出ないというのもまた自分に対するプレッシャーとなる。

 僕が理解した感覚が正解なのか分からないけど、彼女の感覚に一歩近づけたような気がする。

 僕が抱いた憂鬱さが彼女の抱いた感覚と似ているのだとしたら、かなりつらいだろうなと思う。僕はたまたまこんな感じになってそれを意識したけど、彼女は一か月のうちの何日間か必ずこんな感覚に苛まれているようだから。

 何か気がかりなことがあったり、嫌なことが待ち受けていたり、やりたくないけどやらなきゃいけないことがあったり、悲しいことがあったり、理由は様々だと思うけど、心に何か引っかかるものがあって、それが寂しさだったり満たされない感覚だったりに繋がるのではないかなと思う。そうして、何もかもがつまらなく感じられるようになってしまう。

 理解はできても対処は難しい。こうならないためにどうしたらいいかなんてわからない。僕にできるのはやはり、こうなってしまった彼女に寄り添うことだと思う。こんなときは誰かに頼りたくなる。誰かに助けを求めたくなる。自分の弱さとかわがままとか全部さらけ出して、相手に受け入れてもらいたくなる。きっと彼女もそういう気持ちでいると思うから、僕はそれを受け入れられるようにしてなきゃなって思う。

 自分が不安定な時に、隣に寄り添ってくれて、大丈夫だよ、心配しなくてもいいよって言ってくれる人って必要だよね。あなたの思うままに好きなようにしていいんだよって言ってくれる人。

 僕にとって彼女がそんな存在だし、彼女にとっても僕がそうやって頼れる存在でいたいなと思う。

 頼りないし、肝心なところでダメだし、ヘタレだし、目標としているような存在には程遠いんだけど、彼女が安心して甘えられるような人になりたいなって思っている。