かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

くまもん発狂事件

 昨日起こった事件について書く。

 これは僕が不在の職場で起こった事件である。

 この日、職場には彼女とくまもんと失礼男がいた。もちろん他にも人はいたけど、主に話に出てくるのはこの三人なので割愛。

 この日くまもんは帰り際にどうやらイライラしていたらしい。一足先に帰るため、帰りますと彼女や失礼男に言うためにやって来た時にもその態度を隠すことなく、前面に押し出していたようだ。

 その少し後、帰る寸前のくまもんと彼女が遭遇したのだが、その時に彼女に向かって、とある業務(ここではわかりやすくするため業務Aとする)ができていないことが当たり前だと思わないでね!と強めに言ってきたらしい。

 この業務Aというのは、通常業務の中で優先順位が高いものではあるんだけど、やらなければ明日を迎えられないというものではないため、現状後回しにされてしまっている業務だ。

 後回しにされてしまう原因は、人員不足、他の作業による時間の圧迫など、様々な要因が絡んでいる。もちろん、みんなそれが重要事項であることは認識しているが、仕方なく後回しにしてしまっているという状態。誰もやらなくていいなんて思っていないし、現状が正しいなんて思っていない。

 だから彼女もわざわざくまもんにそれを言われなくても、分かっていることであって、反論も何もないので、そうですねと同意で返したらしい。

 しかしそれでは納得しないらしいくまもんは、同じようなことを何度も繰り返し言ってきてらちがあかない。

 彼女はくまもんの真意を図りかね、質問をするものの噛み合わない。

 そもそも、通常の精神状態ではないらしいくまもんが正常な思考を保てているとは思えないので、彼女がいくら真剣に受け止めようとしてもうまくいかないのは当たり前だったのかもしれない。

 ただ、彼女はくまもんから話しかけられて、そんなことを言われたわけだから対応しない訳にはいかない。よくわからないことを言われていれば、どういうことですか?って確認するのが当然だ。

 そのまましばらく会話を続けたらしいのだが、結局くまもんが何をいいたいのかは分からず、しまいにはくまもんのほうが、彼女が何を言っているのかわからないと逆ギレする始末。

 そして時間の無駄だったという捨て台詞を吐き、彼女が話を続けようとする意志を見せても、ウザそうな表情で露骨に嫌がり、勝手に話を打ち切って帰っていったらしい。

 僕の感想は「なにそれ」である。

 彼女の話を乱暴ではあるがざっくりまとめると、何やら苛ついているくまもんが、彼女に向かってキレだして、勝手に怒って帰っていったということになる。

 そもそも、業務Aができていないことに不満をもっているのだとすれば、それは部下である彼女の責任ではなく、業務全体を管理する上司のくまもん自身や他の上司の管理力不足である。ましてや当日の業務Aが終わっていないことに腹を立てたわけではなく、最近の状態について言っていたらしく、それこそ彼女一人に直接言う意味がわからない。

 くまもんに彼女一人を責める意図がなかったとしても、くまもんの行為はそれに相当するものである。

 このやり取りにショックを受けた彼女は、それを失礼男に話したようだ。

 ここ最近、失礼男の株が上昇してきていて、もはや失礼男と呼ぶのが失礼なのではないかくらいになってきているのだが、変更は面倒なのでしない。

 彼は周囲の人のことをよく見ているようで、彼女の仕事振りをしっかり見ていて評価してくれる数少ない存在だ。

 彼と彼女ともう一人を交えて仕事終わりにしばらく話をすることになり、今回の件以外のこともたくさん話したようだ。

 そして今日、くまもんも彼女もお休みで、失礼男がいたため、彼から軽く話を聞くこととなったのだが、まず驚くべきことに昨日の態度について失礼男はくまもんにメールを送ったらしい。内容の詳細は不明だが、結構辛辣な締めくくりだったらしく、そこまで煽らなくても、と思いつつよくやったという思いも湧いた。

 面倒くさがりで、余計なことに首を突っ込もうとしない性格の失礼男が、わざわざくまもんにメールを送ったという事実が衝撃だった。

 彼いわく、今まで彼女とくまもんがもめたという事態が何度かあったけど、話を聞く限り、毎回彼女のほうが正しいことを言っていると思うし、今回もそうだと思う、とのことだった。

 今回のことは彼女個人に向かって言うようなことではないし、彼女がけんか腰だったわけでもないし、くまもんの言い分もおかしいし、彼女が完全に被害者であるという風に見ているようだった。くまもんの方から話を始めたのに、勝手に話を打ち切るという態度もありえないと言っていた。

 仕事終わりからそれがあったから、ずっともやもやしていたらしい。おそらく、くまもんの勝手な言い草とか、彼女に向かって言うことではないことを言ったことに関して、かなり不快に思っていたんじゃないかな。

 それがわざわざメールを送るというところに繋がったのだと思う。

 僕が失礼男と会話をしている時、その場にいたY君にも後で詳細を説明したところ、くまもんの所業にドン引きしていた。

 みんな彼女に同情的で、彼女の対応が悪かったのではないかなんていう意見は出なかった。

 僕を含めみんな彼女の味方だ。

 失礼男の言動から、彼女の話を信頼して彼女の見方を信頼していることが伺えた。僕も彼女のことを信頼している。

 くまもんが何か言い訳をして自分の正当性を主張したとしても、状況が覆る心配はいらないだろう。

 くまもんの意見がよくなかったというよりも、くまもんのキレるという行動がよくなかったわけで、僕は冷静でしたなんていう言い訳は通用しないし、こういうことを言いたかったんだっていう主張をしても、そもそもキレてるのなんでなん?って話になるので、僕は彼の主張が通ることはないと見ている。

 彼女にとって非常に災難な出来事で、またもや僕がいないときに問題が起こってしまって非常に悔しい。僕がいれば彼女の味方をその場でしてあげられたのに。

 今回の件は彼女には防ぎようのない事故とか自然災害みたいなものな気がする。

 非常に不運ではあったけど、彼女を信じ、味方してくれる人がいることは良かったなと思う。これこそが彼女の日々の努力の成果であると言えるだろう。

 それにしたって彼女がかわいそうでならない。