かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

相乗効果

 彼女に仕事を教えるのが楽しい。

 これは、僕が仕事を教えることで彼女に教えられるくらい優れていることを実感できるから、という意味で楽しく感じているのではない。

 僕と彼女で仕事のクオリティに優劣があるとは思っていないし、あるとすれば知識の差であって、それは個々の能力の差ではない。ただ単にそれについて教えてもらっていないというだけで。

 だから彼女に僕の知っていることを教えることで、彼女と僕の知識の差というものを埋められるのが楽しい。

 加えて自分の知識を他の人が活用してくれる、他の人の役に立てるというのも嬉しい。それが彼女ならなおさらだ。彼女なら、僕が伝えたことが無駄になることはない。ちゃんと聞いてくれるし、ちゃんと覚えてくれる。他の人達みたいにちゃんと聞いてたはずなのにできないってことがない。

 それに他の誰でもなく彼女が、より多くのことを出来るようになる手助けができたと思うと嬉しい。彼女の役に立てることが喜び。

 そんなわけで今日は一緒に作業をする機会に恵まれて、彼女と二人きりでテキパキと仕事を進めた。

 最近、僕と彼女を仕事で組ませてくれることが多い気がする。作業の効率を考えればそれが最適な組み合わせであることを周囲が理解してくれているのかな。それとも僕が彼女と一緒だと嬉しいっていうのがじわっと伝わっているのだろうか。どちらにしろ僕は嬉しい。

 彼女は基本的に、自分は仕事ができないという自己評価を下していて、自己判断で安易に作業を進めることをしない。僕は、自分の仕事に自信があるとまでは言えないけど、こんな感じじゃないかなと自己判断で作業を進めてしまう。

 僕と彼女で作業をすると、彼女がこれでいい?と確認してくれて、僕がそれに対してそれでいいと思うとかこうしたらいいと思うという意見を伝えるという流れが多い。

 で、今までに何度か、僕が勝手な判断をしてそれでいいんじゃない?っていった結果が間違っているということがあった。僕が勝手に判断して僕が作業したっていうんならいいんだけど、僕の判断で彼女が作業をして、その結果が間違っていたとなると彼女にまで迷惑が掛かってしまう。それを深く反省して、軽率な判断をやめようと心に誓った。

 彼女が僕に確認してくれる時というのは大概、なにかおかしい、通常通りに作業が進まないという時なので、彼女の疑問や感覚を信頼して慎重な判断をした方が正解を導き出せる。適当でいいよって言ってはいけない部分ということが多いのだ。

 僕が大雑把に作業をしてしまう部分と、彼女が慎重に作業してくれる部分を上手く合わせて作業をすると、めちゃくちゃスムーズに終わる。

 今日の作業も進捗を確認しに来た上司があまりの速さにびっくりする程だった。

 非常に充実した仕事ができたと感じて、満足感が高かった。

 毎日彼女と一緒にこんな仕事ができたら凄く楽しいと思った。