かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

おでかけ再出発編

 僕の大失敗によって大ブレーキとなったお出かけだが、なんとか彼女の優しさによって再出発の運びとなった。

 車を走らせること約一時間。目的地に到着。おいしいジェラートが食べられるお店。僕と彼女が想像していた雰囲気とは少し違ったものの、気に入った。ジェラートでーす!どどーん!っていう感じのお店かと思ったら以外の商品も結構あった。

 種類が豊富なジェラートの中から気になったものを選ぶ。イートインスペースがあったんだけど満席で、しかたがないので車に戻って食べることにした。車の中落ち着くし。

 おいしいねーとお互いのジェラートを味見させてもらいながら、しばしまったり。いい感じ。別の味のジェラートも食べてみたい!ということで、機会があったらまた来たいねって彼女と話した。

 せっかく遠出してきたのだからこのまま帰宅するわけがない。僕たちにはもう一つ目的があった。

 このジェラート屋さんのわりと近くに、だるまさんが働いている職場がある。そして僕たちの手元にはだるまさんにあげるためのプレゼントがある!そう!だるまさんにプレゼントを渡しに行く!

 それが僕たちの第二の目的だった。

 ちなみに全くアポをとっていないので、今日だるまさんが職場にいるのかいないのかも不明。いたら渡すし、いなかったらいなかったで仕方ないというアバウトな感じで向かった。アポをとるといろいろと面倒くさいので、サプライズで行くほうが楽なのである。

 無事だるまさんの職場に到着し、潜入してみるがだるまさんがいない。覚悟はしていたものの本当にいないとは!

 僕と彼女は、なんでいないんだよ!と不在のだるまさんに悪態をつきながら、今度会った時でいいねーと職場を後にした。もちろん悪態をついたのは冗談だよ。アポ無しで行ったんだからね。

 さてその後、前回だるまさんに会いに行った時に見つけた、田舎のわりに品揃えが妙にいい本屋さん(失礼)に行くことにした。

 ここでは期待通りたくさんの素敵な本と出会うことができた。

 順番に語っていく。

 まず、絵本コーナーを眺めつつ通り過ぎ、漫画コーナーへ。僕と彼女が共通で気に入っている漫画の新刊が出ているので手早くそれを手にとった。あともう一冊、気になっていた漫画があったのでそれも手にとる。

 続いて彼女が好きそうな面白い漫画を探すが、良さそうなものに出会えず。雑誌コーナーを物色し、更に新書やハードカバーコーナーを見ていると、彼女が気になる本を発見。

 「HSP」という特性について書かれた本。これについてはまた詳しく書こうと思う。少しだけ説明しておくと、HSPとは過度に敏感な人のことで、些細な変化とか周囲の環境に敏感だったり、人の感情に影響されやすかったりするらしい。これは病気ではなくて、人の持つ特性であり、一種の個性のようなものだ。五人に一人がHSPとも言われていて、その現れ方に差はあると思うけど、特別なものというよりも身近な感じがする。

 本の冒頭に診断項目があって、これに当てはまる人は~みたいなことが書いてあったので一緒にチェックしてみると、彼女がかなり当てはまる。そこで、椅子を設置してくれてあるとても親切な本屋さんなのでそこをお借りしてしばらく本に目を通してみることにした。

 その間彼女は癒やされるものを探す旅に出ていた。

 ざっくり内容を確認してみると、首を傾げたくなる部分もあるけれど、分かりやすく良いことが書いてあるように思えた。そしてなにより彼女に当てはまる部分が多い。僕が彼女を理解する上でも役に立つだろうし、彼女が自分の内面と向き合う際の手助けにもなるように感じた。

 面白かったのが、その本の記述の中に、HSPの人は電化製品を壊しやすいと書いてあったこと。嘘のような話だけど本当にあるというような書かれ方をしていたけど、彼女もまさにそうだよ!って思った。この記述のおかげで僕はこの本を買おうと思った。

 彼女に読んだ感想を伝え、一読の価値はあるよとおすすめした。僕の手元に三冊目の本がやってきた。

 彼女が放浪の旅をしていて見つけた素敵な本のところに案内してもらう途中、僕のテンションが急上昇する素敵な本を彼女が発見した。

「デザインのひきだし」という、プロ御用達のデザイン系の情報誌らしいんだけど、今回の特集が紙。初回限定で実物見本が付いているという素敵さ。紙が大好きな僕は見た瞬間に欲しい!ってなった。色んな種類の紙が見本で付いているなんて素晴らしすぎる。かなりの厚みと重さ。表紙のデザインも良い。プロでもなんでもないただの紙好きだけど、これは買いだ。即決しかけたが、ちょっとお高いので、冷静になる努力をした。欲しい!いやちょっと待て落ち着け!を三回くらい繰り返して結局、買うことにした。これで四冊。

 意気揚々とレジに向かいお会計を済ませる。久々にこんなに本屋さんでお金使った。

 駐車場で買った漫画を読もうかって思ったんだけど、暗すぎる。いつの間にか外は真っ暗になっていた。仕方がないので移動することにして、車を発進させた。ここに来て彼女の体調がかなり悪くなってしまったよう。というかジェラートを食べ終わった辺りから体調悪かったらしい。なにも知らずにはしゃいでいてごめんって思った。まったく、こういう時に気遣いが足りない。

 でもきっと、彼女のことを気にして楽しくお買い物ができなくなるよりも、楽しくお買い物ができたほうがいいって彼女が思ってくれてたんだと思う。おかげで本屋さんは凄く楽しかった。

 また移動が長かったので、彼女にはゆっくりしていてもらって、僕は運転に集中した。

 目的の場所に到着したころには少し彼女が元気を取り戻していて、ちょっと休憩がてらマッサージをして、漫画を読んだ。外は肌寒いくらいなのに力いっぱいマッサージをしていると汗が出てくるくらいあつくなる。結構疲れるんだけど、疲労感よりも充実感が勝る。一緒にいられるときしかマッサージはできないし、僕が疲れたっていう理由でマッサージをやめてしまうのはもったいない。

 その後、また軽く本屋さんを見て回って、晩ごはんに良い時間となったので回るお寿司を食べに行った。普段行っているところとは違うところ。ちゃんと覚えてないんだけど、彼女と一回来たことあるような気がした。彼女は少し前におしゃれ番長と来てたらしい。そういえばそんなこと言ってたって思いだした。

 お腹すいてると思ったけどそんなに量は食べられず、彼女もすぐにお腹がいっぱいになったようで、ふたりとも小食だった。ただ美味しかたので僕はごきげんだった。

 この時彼女は明日の仕事が憂鬱なのと、体調不良とで元気が出なくてかなりつらそうだった。可哀想で可哀想でたまらない。それを救ってくれたのはみずまんじゅうくん。みずまんじゅうくんの愛らしい姿を収めた動画は心を軽くしてくれる。

 食事を終え、最近彼女がやっているスマホアプリを僕もダウンロードして遊んでみることにした。丸をつなげて消していくゲーム。簡単そうに見えて、なかなか頭を使う。僕はこういうゲームきらいじゃないんだけど、あんまり得意ではない。序盤の面はサクサクできるからどんどん進むけど、難易度が上がっていくと詰まってしまい、そこから進めないことで飽きてしまいがち。コツコツ努力するってことができないみたい。根気がない。

 今回も序盤はサクサク進むが途中でいきなり詰まった。とりあえず25個の面をクリアして欲しいと彼女から言われていたのに、18個目くらいで詰まった。何度もやってみるけどうまくいかない。時間ばかりが経ってしまって、あせる。僕がクリアするのを彼女はじっと待ってくれていた。僕が助けを求めると、隣で覗いて僕の邪魔にならない程度に優しくアドバイスをくれるんだけど、僕の思考時間が長すぎて疲れさせてしまった。付きあわせて待たせている彼女に申し訳なくて涙が出そうになるし、集中力は途切れて全くクリアできないしで、一旦仕切りなおすことにした。

 彼女の家の近くまで向かっておいて、そこでまた挑戦することにした。移動の間に彼女が25面までクリアしてくれて、そこまでクリアすることで開放される要素を僕に見せてくれた。これを僕に見せたいがために、彼女は25面クリアのノルマを僕に課したのだった。彼女がクリアしてくれた面は後ほど再挑戦するとして、とりあえず目標達成。

 いつもより遅い時間になっちゃったけど、コンビニへ立ち寄り、後少しだけまったりと彼女との時間を楽しんでから帰宅。

 彼女の体調がすぐれないようですごく心配。

 楽しいおでかけの出だしを最悪にしてしまって、彼女にはすごく申し訳ないことをした。余計な精神的疲労を強いることになってしまい、その後の体調にも悪影響を及ぼしたと思う。ごめんね。

 初めて行ったお店だったけどいい所だったし、いい本とも出会えたし、彼女と一緒にお出かけができてすごく楽しかった。やっぱり彼女と過ごす時間はすごく幸せだ。

 良い一日だった。