かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

ビターな優しさ

 彼女は問題点とか課題を見つけるのがうまい。

 後輩の仕事っぷりを監視しているというほどつきっきりで見ているわけではないのに、直したほうが良いところとか、間違っているところというのを見つけられる。その中には僕が気づいていないことというのも多い。

 そして彼女はその問題点や課題を伝えるのがうまい。

 改善する必要があるものなのか、伝えた時に相手がどんな気持ちになるのか、どうすればきちんと伝わるのか、といったことを考慮して相手に伝えられる。

 細かい部分に関して指摘するのは、指摘する側としても勇気が要る。

 そんなことわざわざ言わなくてもって相手に思われるんじゃないかとか、細かいこと言ってきてうるさいって思われるんじゃないかとか。

 最近よく思うのは、相手に注意したり、叱ったりするのをやりたい!って思う人なんてそう居ないなってこと。もちろん怒ることでストレス発散するような人格破綻者とか精神的に不安定な人は別として。

 指摘されたら誰だって嫌な思いをする。その指摘が正当であろうとなかろうと。それと同時に、指摘する側も嫌な思いをしている。指摘したら相手が嫌な思いをするって分かっているから。

 嫌な思いをしてまで、注意したり叱ったりするのは優しさだ。

 ミスして迷惑かけられたり、教えたことができなかったりしたらイラッとするのは当たり前だし、しかたがないことだと思う。そこで怒らないことが優しさではない。

 イラッとしたりムカッとした感情に流されるわけではなく、必要だから、相手のことを思って注意したり叱ったりする。これは優しさだ。

 彼女はその優しさを持っている。

 受け取る側によっては、ただの口うるささであったり、嫌なことを言われたというだけのものになってしまう、持っている人にとって損ばっかりと思えるような優しさ。

 もちろん受け取る人がきちんと、その優しさを理解できれば、役に立ち、感謝されるものになる。

 伝えることで自分が傷つくかもしれない恐れがありながらも、きちんと伝えられることは強さと言えると思う。その点僕はまだまだ弱い。

 彼女の持つ優しさは他の人よりも随分大きいように思う。

 彼女の観察力や洞察力によって見つけ出された問題点や課題。

 それを無視しない優しさ。

 これが彼女の大きな魅力だと思う。