かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

動いている彼女

 先日彼女がとあるものを貸してくれた。

 彼女が参加しているサークルの、前々回の発表会の時の映像をまとめてDVD化したものだ。

 昨日僕はそれを見てみることにした。

 彼女にしばらく会えなくて寂しいので、この映像の中の彼女を見て寂しさを紛らわす作戦。

 この時の発表会は僕が見に行ったもので、DVDを再生してすぐのところで僕の後頭部が映っていて面白かった。彼女の姿よりもまず自分を見つけてしまった。

 見に行ったものだから、二度目ということになるが、楽しんで見ることができた。

 こんなに長い時間、画面の中で動いている彼女を見るのは初めてかもしれない。

 まるで普通にテレビを観ているような感覚なのに、そこには見知った彼女がいるっていう不思議な感覚。

 発表会を見に行った時に感じる、いつもの彼女とちょっと違う感じというのがあるのだけれど、それをさらに少し遠くから眺めているような気持ちになる。

 見ていて気付いたのが、彼女の声ってすごく聞き取りやすいってこと。

 ほかの人のしゃべってる声を聞いてみると、小さくて聞き取りにくかったり、声は大きいんだけど何を言っているのか聞き取りにくかったりしていた。でも彼女の声はよく聞こえる。

 話す速度とか、大きさとか、声の高さとか、すべてにおいてほかの人よりもいい感じだ。

 そしてなにより彼女の声が一番心地よい。

 これはもう僕の好みになってしまうけど、彼女の声が一番好きだ。

 DVDを見ていると、この発表会を成功させるためやクオリティを上げるためには彼女の存在というか能力がすごく重要なんだなって思う。改めて彼女のすごさっていうのを感じた。

 目の前に彼女はいないけれど、動いてしゃべっている彼女を見ることができるというのはすごく良い。

 彼女がカメラに向かって語り掛けてくれる映像を撮って、彼女と会えない時に流しておくとすごく良さそうだと今気づいた。寂しさがまぎれるかもしれない。

 だいぶ僕の発想が気持ち悪いのでやめておこう。

 あぁやっぱりビデオカメラを買うべきか。