かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

注意する精神力

 誰かを注意したり叱ったりするのってすごく精神力を使う。

 昨日仕事にミスのあった座敷わらしに注意をしたんだけど、すごく気を遣う。

 誰だって失敗を指摘されるのは嫌だろうし、どれだけ自分が悪いと分かっていても、お前のここが悪い!って言われたらムッとするものだ。

 だからなるべくそうならないように、お互い嫌な気持ちにならずに済むようにできたらいいなと考えていたらすごく疲れた。

 そして、普段注意したり叱ったりという役目を引き受けてくれている彼女の苦労を感じた。

 彼女もきっと僕と同じように考えて、これを言ったら相手がどう思うだろうかとか、どういう言い方をすれば理解してくれるだろうかとか悩んでいると思う。

 そしてそれを伝えた時に、やはり相手にとって嫌なことを伝えることになるわけだから、自分が嫌われてしまわないか、嫌がられないかという不安も抱いていると思う。

 僕はいつも、相手に嫌な思いをさせるくらいなら自分が我慢しようって思う。だから何かミスがあっても、そこまで大きな問題でなければとりあえず直接指摘せずにおこうって思っていた。

 ただ、そうしていても何も解決しないっていうことを彼女から学んだ。

 彼女は、嫌われるかもしれないという不安や嫌な思いをさせるかもしれないという心配と戦いながら、伝えることで状況が改善することを目指している。

 自分や相手が嫌な思いをするかもしれないというのが嫌で、僕みたいに逃げていたら問題が先延ばしになるか、もしくは悪化するだけだ。

 彼女が今まで根気よく何度も座敷わらしや他の人にミスの指摘や良くなかった部分への注意をしているのは、ミスをした本人のためでもあるし、職場全体のためでもある。

 彼女が誰かに注意したり叱ったりするときは、その対象者や周囲の人達を思いやった結果なのだ。

 放置しておけば、本人が困った状況に陥るとか、周りに迷惑が掛かるとか。それを彼女が良くないなって思うから、どうにかするために行動してくれる。

 だから彼女が注意したり叱ったりするときは、彼女がどうしても許せないとか、彼女がムカつくとかいうのではなくて、周りに与える影響とか、問題の大きさをきちんと考えている。

 そんな彼女を見ていて、僕が先延ばしにしたことや、放っておいたことが更に大きな問題になった時、彼女にまで迷惑を掛けることになってしまうって思った。

 僕が注意しないから、彼女が代わりに注意することになるとか、僕が言わない間に新しい問題が発生して、彼女が注意することになるとか。

 彼女の負担を増やす結果になってしまう。

 だから僕も、彼女のように逃げずに立ち向かって、上手に注意できるようになろうって思った。

 まだまだうまくできないし、日和って言いたいことを飲み込んでしまうこともある。

 ただ彼女の苦悩について少しは身を持って感じることができたなって思うし、これから僕が上手く立ち回れるようになれば彼女の負担を減らすことができるんじゃないかなって思う。

 そうなれるように、事なかれ主義的な僕の心の弱さを変えていきたいなと思う。