かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

興味のあるなし

 彼女の記憶力について。

 先日彼女と、自分の興味のないことに関しては全く覚えられないっていう話をしていた。

 それって誰でもそうだとは思うんだけど、彼女の場合それが顕著な気がする。

 なんと彼女はリビングのテレビの操作方法がいまいち分からないらしい。覚えられないというのか、そもそも頭のなかに入ってこないのか、彼女の中の何かが電子機器に拒絶反応を示しているのか分からないけど、以前は電源を入れることすらできなかったって言ってた。

 彼女は以前にも触れたとおり、機械に嫌われている。原因不明の不具合に悩まされたり、新品で買ったものが不良品だったり。機械類との相性が良くないなーっていうのは今までのエピソードを聞いていて思う。

 機械に関連することは、彼女にとって苦手意識を持っているものであり、積極的に関わる気持ちがおきないものだ。だから彼女は機械の操作なんかを覚えられないのだろう。それによって、僕からしたら簡単と思うようなことも、彼女にとっては難しいこと、なんてことも起こる。

 逆に、彼女の興味の向かうものに関しては素晴らしい記憶力を発揮する。

 映画を観たら、登場人物の名前や、作品内に出てきた台詞をよく覚えている。お笑い芸人の漫才の流れとかもよく覚えている。細かい台詞をきっちり覚えていなかったとしても、一連の流れを記憶しているようでこんな感じだったっていう再現ができる。再現度はかなり高い。

 この記憶力は彼女のものまねスキルにかなり生かされていると思う。

 僕の話になってしまって申し訳ないが、僕は全く名前を覚えられない。映画の登場人物も、作品内で重要な意味を持っていない限りほとんど覚えられない。「ハリーポッター」の主人公の名前はもちろん覚えていられるし、「チャーリーとチョコレート工場」のチャーリーとウォンカは覚えていられる。

 映画の感想を彼女と言い合うときに、僕は名前を言えずに彼女が助け舟をだしてくれるってことがよくある。「あのー髪の長い、途中で死んじゃった人」とか言って、名前を教えてもらう。

 僕に名前を覚えようという姿勢が足らないのは確かだろう。

 しかし、彼女が登場人物の名前を覚えようと必死になっているようには見えない。どちらかといえば自然と頭に入っているように思える。

 ということは僕と彼女で注目している部分が違うのかもしれない。

 あるいは単純に集中力や頭の使い方の問題かもしれない。

 こんな感じで映画や音楽、漫画や本など、彼女の好きな分野に関しての記憶力は素晴らしい。そういうものに触れている時の彼女はいきいきしているし。

 彼女の記憶力は人よりも優れていると思うのだけど、彼女の興味が無い分野や、苦手分野ではそれが全く発揮されないようだ。

 興味のある分野に関して記憶力を発揮するために、余計な分野に力を使わないようにしているとも考えられる。

 好きなことに全力を注ぎ込むっていう感じが彼女らしいなって思う。

 おわり。