かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

送迎

 彼女から、仕事に行く時に乗せてってという連絡が来た。仕事終わりにあんなちゃんと会う予定になっていた彼女は、職場に迎えに来てもらうらしく、僕が乗せて行けると都合が良いようだった。

 これは僕が彼女に、明日早い時間から出勤だよ、彼女と同じ時間だよって伝えてあったためで、僕に断る理由は一切なかった。

 だた一つ問題があった。

 僕が早い時間から出勤だというのは勘違いだったということ。

 ちょうど彼女から連絡が来た時に、時間の確認をしていたんだけど、遅い時間からの出勤だった。

 彼女に申し訳ない気持ちになりながらそのことを伝えると、彼女は困った様子だった。

 そして僕は思った。別に彼女を迎えに行って職場に送ればいいんだと。

 彼女にそういうと送って!とのことだったので了承した。

 ここまでが昨日の話。

 自分が仕事じゃないと目覚ましをセットしてもついつい寝てしまうので、いつもより多めに目覚ましをセットして寝過ごさないようにした。

 目を覚まして、一応仕事着に着替え、予定通りの時間に出発。

 仕事着は上だけ。下はラフな格好。車から降りることはないから、とりあえず上だけ繕っておけば安心。彼女のご家族には僕が仕事に行くついでに迎えに行くことになっているらしいので、アリバイ工作というかもし見られても不自然じゃないようにしておいた。我ながらなかなか気が利くって思っていたけど、特に必要じゃなかった。

 彼女を迎え、職場まで送り届ける。

 数分の道のりなんだけど、楽しかった。寝起きの僕はわりと調子がよかったし、彼女もわりと元気だった。

 いつもと違うことすると楽しかったり、ちょっとワクワクするっていうのはあると思う。特に僕はそんな感じだった。

 これから仕事だっていういつもの憂鬱さもなくって、彼女を迎えに行けて一緒に車に乗って職場までいける楽しさを損なうことなく楽しめた。

 こういうのもいいね!

 その後家に帰って、ご飯を食べてしばしだらだらしたあと仕事に向かった。

 今日は新人の教育を任され、彼女と一緒の空間にいるのに全く話ができなかった。それが嫌すぎて最初テンションだだ下がりだった。彼女と一緒に働いてるのに、ちょっと顔が見えたりほんの少し業務的な会話をするだけしかできないなんて!かなりの苦痛だった。

 しかも彼女は一足先に仕事を終え、冒頭でも述べたように、あんなちゃんと会うわけで、仕事終わりに話をするってこともできない。

 休憩時間にちょっとだけ彼女と二人で話ができて、僕はそこでだいぶやる気を取り戻した。変なテンションになった僕は帰っていく彼女に笑顔で手を振り、迎えに来ていたあんなちゃんにまで手を振り、二人を見送った。あの瞬間の僕はかなりご機嫌だった。

 その後もなんとか休憩時間に充電したやる気で一日を乗り切った。

 彼女の送り迎えってやりがいがあるなって思いました。