かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

情報共有

 ふと以前の職場のことを思い出していると、一緒に働いた人に関する情報をあまり持っていないことに気づいた。

 その人がどんな人かは分かっているけど、どこ出身だとか、お子さんは何人いるのかとか、学生時代どんなスポーツやっていたかとか、そういう私的な情報を全くと言っていいほど持っていない。仲良くて遊んでもらっていた人とかは多少知っているんだけど、知らない人のほうが圧倒的に多い。

 それはなんでかなあって考えていたんだけど、そもそも僕に相手のことを掘り下げて情報を得ようという意志がないんだろうという結論に至った。

 興味がないわけではないし、教えてくれるんなら聞きたいんだけど、積極的になれない。

 対して現在の職場の人たちに関する情報っていうのは結構持っている。

 以前の職場よりもそういう意味で親密な関係を築けている、という見方もできるかもしれないって思った。

 その理由は明白で、彼女の存在があるからだ。

 僕と彼女はかなり深いレベルで情報共有をしている。

 お互いが知らない情報を教えあう。それは仕事上の注意事項だったり伝達事項についてもそうだし、世間話的な仕事には関係のない内容でもそうだ。

 彼女はその情報を収集するのがうまい。僕よりも遥かにコミュニケーション能力があるからだと思う。自分から相手に話しかけにいける。彼女の良い所の一つに、会話中に相手に警戒心を抱かせないってことがあると思う。

 プライベートな会話とか、あまり多くの人に知られたくない話を彼女にするときに、なぜか彼女には話しても大丈夫っていう気持ちになる。

 それはきっと普段から彼女が物事をしっかり捉え、自分で考えているっていうのが分かっているからだと思う。

 彼女が口外してはいけない話だと理解してくれれば絶対に言わないだろうという信頼感。あるいはちょっと恥ずかしい話とか相手によっては馬鹿にされそうな話であっても、彼女ならしっかり聞いてくれそうという信頼感もある。

 これを感じているのは僕だけじゃないと思う。だからこそ彼女のところには情報が集まってくる。

 たまにそんな話なんで知ってるの!っていうような情報を持っていて驚かされる。

 彼女のお陰で僕は情報をたくさん持つことができている。加えて、彼女に教えてあげなきゃという気持ちが生まれて、自分でも情報を収集する意欲が生まれてきた。

 これによって僕が行動的になるとすれば、それは彼女から受けた良い影響といえるだろう。