かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

思いがけないプレゼント

 今日、彼女はお出かけしていて、僕は仕事。

 あまりの忙しさにヘロヘロになりながら仕事を終え、帰ろうとしていたら彼女から「帰りに家の前通って」って連絡が来た。今日は会えないって思ってたから、やったー!きっとちょっと顔見せてくれるんだー!って嬉しくなった。

 ぐったりしてたけど、るんるんしながら家の前まで行くと彼女が出てきてくれた。

 手に何か持っていて、なにか貸してくれるのかな?って思った。いつも彼女とは本やらDVDやらを貸し借りしているからね。

 袋を渡され、中身を見てみると、良く知っている本の背表紙が見えた。あ!これは!!って思った。背表紙で分かるくらい見慣れた本だった。

 彼女から紹介されて、好きになった本。

 たぶんジャンル的には児童書で、ファンタジーのお話。

 以前彼女が大好きだって僕に貸してくれて、読んでみたらすごく面白い。子供向けではあるけどテーマは深くて、大人が読んでも考えさせられる部分とか設定練られてるなあって感じる部分があって楽しい。キャラクターも個性的で、それぞれ魅力的で、本を読み進める楽しさっていうのをすごく感じさせてくれる良い本だ。

 で、この本はもう10年以上前に出版されたもの。当時どのくらいの人気を得ていたのかは分からないけど、今はもう本屋さんには置かれていない。僕は単行本が出たら買う!なんて言ってたけど、もちろん単行本が出る可能性は限りなくゼロに近い。

 全四巻で、巻によってはネットショップでまだぎりぎり新品の在庫があるものもあるけど、全巻は新品で揃わない。中古をネットで買うのも結構冒険、ということで彼女にも買いなよ!っておすすめされてたけど、諦めていた。

 そんな本の二巻が今僕の手の中にあった。

 彼女が古本屋さんで見つけてきてくれたんだそうな。

 わざわざ出掛けた先で僕のためにプレゼントを買ってくれたこと、そしてそれが大好きな本だったこと、彼女がこれを僕にあげたいって思ってくれたこと、いろんな事が嬉しくてたまらなかった。

 嬉しさのあまり正常な思考を失って、僕にくれるってことは分かりきっていたのにわざわざ、これもらっていいの?って聞いてしまった。

 二巻しかなかったからって彼女が言ってたけど、二巻しかないのか、なんてがっかりは全くしなくて、とにかくこの本が手に入ったのが嬉しかった。

 彼女と古本屋さんに出掛けてまた探そう!って思った。

 彼女に会えるだけでも嬉しかったのに、まさかのプレゼントを貰えてご機嫌で家に帰ることができた。すごく疲れてて体しんどかったのに一瞬完全にそれが吹き飛んだ。

 すごく素敵なプレゼントを貰えた。

 ちょうど今彼女から一巻を借りてて(二回目)それを読み終わったらすぐに二巻を読めるのもとっても嬉しい。

 思いがけない素敵なプレゼントで僕はとっても嬉しい気持ちでいっぱいになった。この本大切にしよう。