かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

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 数日前に僕は髪を切った。いつも行っているところとは違う美容院へ行って、普段と違う感じにしてもらったんだけど、あまりに変わりすぎて違和感でいっぱいっていう状態だった。

 美容院からの帰りに職場へ立ち寄って、みなさんの反応をうかがったんだけどあんまり芳しくない。やっぱり失敗だったかなあっていう思いがどんどん僕の心を蝕んでいった。その時職場には彼女もいたからお披露目したところ、いいんじゃない?みたいなプラスの反応で、似合わないとか変とか言われなくてよかったなあとひと安心した。

 でも家に帰ったら母親に悪い顔になったとか言われて、あぁやっぱり失敗だったかとへこんだ。自分で自分を見てもなんだか違うかもしれないっていう感じで、変化についていけないだけなのか本当に失敗なのかよく分からなかった。

 彼女に失敗だったかもしれないというような弱音を吐いたら、みんな見慣れてなくてそういう反応になるだけだよ!慣れてきたらいいじゃんって言ってくれるよ!ってフォローしてくれた。優しい。かっこいいよって言ってくれた。優しい。

 彼女以外の誰かから微妙な反応をされるのなら軽いへこみで済むけど、彼女に微妙な反応されたら立ち直れなくなるところだった。

 彼女のセンスを信じているから、彼女が大丈夫って言ってくれれば大丈夫って思える。逆に彼女がだめって言ったら、もう他の人の意見なんて聞く必要もなくだめなんだって思う。

 きっと彼女もその辺分かってくれていて、一生懸命フォローしてくれたんだと思う。微妙って思っているのを無理に褒めてくれたわけじゃないと思うけど、僕がへこんでいるのを察して元気づける為に頑張ってくれたと思う。

 普段、僕が優しい言葉を掛けてほしいなあって甘えるときには大抵冷たく突き放してくる彼女だけど、僕が本当に参っていて心が折れてしまいそうっていうときには僕を助ける言葉をくれる。

 まるで僕がそうして欲しいって思っているのがすべて分かっているかのように、ピンポイントで欲しい言葉を掛けてくれたりする。

 それが彼女のすごいところなんだなって思う。やろうと思えば僕との会話で、僕を喜ばせる言葉を常に言い続けることもできるんじゃないだろうか。ただ僕相手にそんな接待みたいなことをする必要はないし、きっと僕がでへでへ喜んでいるのも癪だろうからやらないだけで。

 僕が喜ぶのも悲しむのも彼女のさじ加減ひとつ。こう書くと僕は完全に彼女にうまくあしらわれているなあ。

 でもそれが楽しいって感じるのはやっぱり僕がMだからなのか。