瞬発力
彼女の思考の瞬発力に関して昨日少し触れた。
思考の瞬発力という表現が気に入ったので、今日もそれについて考えていこうと思う。
考えの甘い提案に対してという話をしたが、もう少し詳しく説明する。
とある案件で褒められて調子に乗ったコロ助という男が、別の案件に関してやる気を出して、こんなアイディアがあるんだけどどう?って聞いてきた。
アイディアを出すこと自体は悪いことじゃないしやる気があるのはいいことだ。ただ問題は、コロ助の考えが甘すぎたってこと。到底今から取り組んだのでは実現不可能なアイディアを出してきて、得意になっていた。たぶんコロ助はこれ超いい!かなりいい線いってる!って思ってたに違いない。
それを受けた彼女はすぐさま実現が難しいだろうっていうことを返答した。
具体的に難しい理由っていうのを5つくらい提出して。
その話を聞いて、そりゃあ難しいだろうっていうくらいは僕にもすぐ分かった。あまりにも無謀なアイディアだった。
コロ助から連絡が来たタイミングが仕事中だったので、後ほど連絡するとだけ伝え、仕事が終わってからコロ助に連絡するためスマホをいじりだした彼女。黙々と文字を入力している姿を僕はそばで見ていた。途中僕が話し掛けて邪魔したにもかかわらず、15~20分たらずで送信完了。
事前に考える時間があったとはいえ、その考えをまとめて文章に出力する時間がかなり短時間。
そしてその挙げられたデメリットのクオリティが高い。
例えば、時間的に無理があるというデメリットがあったとすると、こういうスケジュールでこういう行動をするわけだから時間が足りない。時間をつめて余裕を作るとするとこんなリスクがある。今までこのスケジュールで動いていた人たちに迷惑が掛かる。そうならないためにはもっと最初の段階でその案を提示しておけばよかった。
みたいに、現状の説明、リスクの説明、周囲の状況と起こりうる問題、そして改善案まで提示してくれる。
こんなのが5項目くらいあった。
コロ助が彼なりにやる気を持って出してきたアイディアだから、彼女はそれに応えて真剣にアドバイスを含めた指摘をしたわけだ。
決してアイディアを否定したいだけではないっていうのが、この丁寧な文章で相手にも伝わるんじゃないかな。
単純に、そんなの無理!だめ!っていうだけというのもできたのに、こうやって真剣に向き合って回答してあげる彼女素敵でしょ。
今回はその素敵さに焦点を当てたかったんじゃないんだけど、でもやっぱり素敵なので触れておく。
で、今回注目すべきは、完成度の高いデメリットの指摘を20分程度で作り上げたことである。
単純に問題点を指摘するだけでなく、こういう理由だから難しいんだよっていう丁寧な説明。相手の気持ちに対する配慮。そしてなにより突っ込みどころのない完成された論理。
彼女からこんな風に返事したよって聞かされた時に、すげえ!ってなった。あの短い時間でこれだけの文章を考えられるものなのかと。ましてや僕という邪魔者の妨害がありながら、である。
短時間で、様々な要素を加味して完全に相手を納得させるであろう文章を書くことができる彼女はすごい。絶対に僕には真似できない。
感心したっていうとなんか上から目線っぽいけど、よくこんなに書けたね!ってテンションが上がった。凄さを目の当たりにして嬉しくなったんだね。
入力する時間っていうのがあったから20分かかっただけで、そのまま口頭で伝えるのであればおそらく考える時間なんてほとんどいらなかったんじゃないだろうか。
それくらい彼女の思考の瞬発力はすごい。