かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

怪しさ満点

 今日、彼女が仕事をしていると見知らぬおばさんが、以前職場に勤めていた人の名前を出して、その人がまだ働いてるかって聞いてきたらしい。

 彼女はもちろん、瞬時に、というかそのおばさんが話しかけようとしてくる前から、表情や目つきでなにか変だ、怪しいと感じていたようだ。

 この話を聞いたときに、さすがだなあって思ったポイントはいくつかあったんだけど、まずここでさすがだなあって思った。最初のさすがポイント。

 確かに怪しい人とか変な人っていうのは独特の雰囲気をまとっている。ぱっと見で分からなくても注意して見ていると分かるってことが多い。彼女は不幸なことに変な人に絡まれることが多いのでそういう人に対するアンテナが敏感なんだと思う。警戒心も強い。

 初動で怪しいって気付けたからその後の対応もスムーズにできたようだ。

 急に自分語りを始めるとか、いちゃもんつけてくるとか、絡んでくるみたいなタイプの変な人ではなく、今回は不審な人物である。あんまりないケースだ。

 名前を出された人は彼女と現在も交流のある方。プライベートなことも多少知っている間柄だ。

 ふいに出てきた名前に彼女は警戒心をより強めて対応した。ここで二つ目のさすがポイント。

 知っている人の名前が出てきたら、得意気にその人のことを喋っちゃう人っている。もちろん彼女はそうしなかった。さすがである。必要最低限の情報しか出さなかった。仕事は既に辞めていること以外の情報は出さず、分からないと答えたらしい。

 怪しいと感じながらも、きちんと対応する。これが三つ目のさすがポイント。 怪しさしかないおばさんでも、彼女は仕事中。相手はお客さんで、対応はしなくちゃいけない。きちんと受け答えしつつ、情報は与えない。抱いた不審感を相手に悟られない。さすがだ。

 なんだこの人っていう感じを出さず受け答えをして、更に情報を渡さなくても嫌な感じを与えずにお帰り頂ける。これをスマートにやるのはかなり難しい。彼女だからできたことだと思う。

 同じ職場には簡単にぺらぺらと情報を与えてしまいそうな人もいるし、この時対応したのが彼女で本当によかったなあと思う。

 更にもう一つ最後のさすがポイント。

 しばらくして休憩時間になった彼女は早速、その名前を出された方に連絡をした。状況説明と、怪しいと思って連絡したけど知り合いとか友達だったらすいませんというような文を添えて。配慮が行き届いている。さすが。

 結局怪しいおばさんが何者だったのか不明。

 彼女のファインプレーで余計な情報が漏れることもなく、問題が起こることもなく、平和が保たれた。