かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

不安解消

 昨日、女神様と遊んだんだ僕たちは遠出した疲労を隠しきれなかった。すごく眠かったし身体もしんどかった。

 それは楽しかった代償で仕方がないんだけども、彼女はそれと同時にひとつの不安を抱いていた。

 「女神様嫌じゃなかったかなあ」という不安。

 これだけだと良く分からないだろうから解説すると、まず遊ぶの嫌じゃなかったかなあという不安、そして思った以上に帰りが遅くなってしまったので、長々遊ぶのが嫌じゃなかったかなあという不安。それを合わせたのが彼女の抱いていた不安だった。

 この不安をいだいたのにはひとつの理由があって、解散後今日はありがとうございましたみたいな連絡を交わしたらしいんだけど、その時にまた遊ぼうというようなメッセージが女神様側からは発信されなかったということ。

 深読みすれば確かに、また遊ぼうっていうメッセージがないってことは意図的に遊びたくないからまたねって言わなかったと捉えられる。

 彼女の不安ももっともなのだ。ただ彼女自身きっと女神様も楽しんでくれただろうっていう思いもある。不安がぬぐい去れないだけで、不安にさいなまれているという程ではなかった。

 でもやっぱり不安は不安なので、僕にだいじょうぶだよね?嫌じゃなかったよね?って確認してきた。

 僕はそこまで深く考えていなかったし、女神様も楽しんでくれてただろうって思っていたから特に心配していなかった。

 女神様はお寿司を食べ終わった時に「楽しかった!」って言ってくれた。次はこっち方面に来てくれるっていう話も楽しそうにしてくれていた。

 女神様は女神様だから、多少嫌でも我慢して楽しそうに付き合ってくれたっていう可能性も否定はできない。

 でもきっと大丈夫だと思う。

 だから彼女に大丈夫だよって伝えた。

 そんなに心配しなくても大丈夫だよ!って言ったら彼女が素直に「はい」って返事してくれて、それが可愛かったのでふふふって笑ってしまった。

 思ったけど、僕たちは良い人を疑ってしまう。疑うっていうと聞こえが悪いけど、良い人であればあるほど、我慢させてないかとか嫌がられてないかっていうのを心配してしまう。

 楽しそうにしてくれているのを見ると、本当に心の底から楽しいと思ってくれているのだろうかって邪推してしまう。

 昔の僕はもっと素直に人を信じていたし、自分が楽しかったら周りの人も楽しかったんだろうって思い込んでいた。もしかして楽しんでなかった?なんて考えもしなかった。

 大人になったのかもしれないし、周りにクソ野郎ばっかりいて色々深く考えなくてはいけなくなったからなのかもしれない。

 彼女はきっとそうで、ろくでもない奴らに苦労させられて生きてきたから、良い人でも悪い人でもとにかく表で読み取れるところだけではなく、裏側も読み取れるように考えるようになったんだと思う。

 わざわざ予定を空けて遊んでくれたこともそうだし、帰りたい素振りを見せなかったこともそうだし、時間を気にしてなくて時間があまりに過ぎていてびっくりしていたのもそう。女神様が遊びたいと思っていたことや楽しんでいたことを肯定する材料はたくさんある。

 きっとまた遊びたいって思ってくれているに違いない。

 彼女の不安とは別に、僕は女神様のプライベートに少し踏み込み過ぎたかなと不安に思っている。調子に乗りすぎたかなって。

 嫌な顔はされてなかったと思うから大丈夫だろうけど、今度はもうちょっと気をつけようと思う。

 また遊びたいなあ。