かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

おにぎりさん

 今日、お世話になった同僚さんの最終出勤日だった。

 この日のためにプレゼントを用意したり色紙を書いたりして準備は万全。

 彼女と同じ時間から出勤して、その同僚さんにあいさつをすると、同僚さんが彼女におにぎりをあげていた。

 え?おにぎり?と思われる方もいらっしゃると思いますのでここで簡単に説明をします。

 彼女はスープと簡単なおかずやおにぎりを持参することがあって、休憩時間にそれを食べている。同僚さんは彼女がそうやって食事を持ってきていることを知っていて、おにぎりを作って持ってきてくれたらしい。

 彼女がいなければ僕にあげればいいやと思っていた、と同僚さんが言っていたけど、よくよく考えれば完全に彼女のために作られたものだったなあと思った。

 同僚さんは僕らの出勤を把握しているわけではないので、どちらにあげてもいいという気持ちで作ったというのは嘘ではないかもしれない。でも、僕は普段お弁当を持参しているのでプラスおにぎりは結構ヘビー。それはきっと同僚さんも分かっている。だから仮に今日僕だけが出勤ということが事前にわかっていればおにぎりは作られなかったであろう。

 彼女がおにぎりを持ってくることがあるのを知っていて、仮にもう一つおにぎりがあったとしても食べられるだろうという同僚さんの推測の元、彼女のためにつくられたものだろうなって思う。

 今日が最後の出勤って思った時に、きっと彼女の顔が浮かんで、おにぎりを作ってあげようって思ったんじゃないかな。

 そこでおにぎりを作るっていう選択をするのが、この同僚さんらしいなって思う。

 彼女がそれだけ同僚さんに思われていたってことだよね。

 しかも今日はちょうど彼女がおにぎりを持ってきていない日で、同僚さんが持ってきてくれたのはベストタイミングだった。

 大喜びしている彼女を見て、微笑ましい気持ちだった。

 その後休憩中に食べたおにぎりはすごく美味しかったらしい。僕も食べたかったなあ。

 仕事終わりに同僚さんにプレゼントを渡して喜んでもらえた。彼女のプレゼントにははちゃんと手紙も添えられていて偉いなあと思った。その辺の気配り完璧。

 きっと同僚さん大喜びだと思う。

 仕事では嫌なことが多かったけど、同僚さんからのサプライズおにぎりは大いに彼女を喜ばせたのであった。

 おわり。