かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

食事会

　今日は仕事の後にみんなでご飯を食べに行った。

　まず直前まで食事会が実施されるのかどうか分からない状態だった。この原因は言い出しっぺの人にあるのだけれど、彼が言い出さないとこの会が開催される事はなかったし、どうなるのどうなるの？と少しの混乱が生じたものの無事開催されるに至ったので、僕としてはまあいいかなって感じだった。みんなも、どうなるか分からなかったよーもう！っていう軽いツッコミを入れるくらいで、和気あいあいとした感じだったので、雰囲気も悪くならず良かったなと思う。

　今回の食事会は、転職のため職場を去ることになった人と食事に行けるのも今回が最後になるだろう、ということで企画されたものだった。

　僕と彼女の中で最近、この彼に対する評価がガタ落ちしていて、正直気乗りはしなかった。しかし開催されるのか謎な状態だったのと、開催されると僕たちが知った時には既に予約済みだったということで、不参加を表明するタイミングもなく、なし崩し的に参加することになった。

　特に僕が嫌だったのが、飲み会や食事会の時にいつも彼を帰りに家まで送り届ける役目を担っていたことだった。家まで遠いんだもの。彼女のためだったらどこまででも車を走らせるけど、好きでもない人のために車を走らせたくはない。今回もそれをやらされると思うと気が重くって行きたくないなあっていう気持ちだった。

　でもその辺彼女はちゃんと理解してくれていて、先に僕が送る役にならなくてもいいように手回ししてくれていた。さすがである。僕の憂鬱な気持ちはこれで払拭され、なんの懸念もなく食事会に参加できることになった。ありがたかった。

　どんな雰囲気になるのかなあってちょっと不安もあったんだけど、結構楽しい感じで食事が始まった。仕事が忙しくて、みんな疲れていたんだけど疲れのお陰で逆にテンションが上がるみたいな状態で、わいわいしてた。

　特にチンピラに対する愚痴で盛り上がった。みんな色々溜まったものがあるようで、こういう場で発散でもしないとやっていられないんだと思う。チンピラの存在で、みんなが団結できるのは良い事といえば良い事なのかもしれないけど、負担とかストレスとかマイナス面が多すぎてとてもじゃないが喜べない。

　ここで気になったのが、時折彼女のことを面倒くさいとか言う失礼な男がいるんだけど、その彼が彼女の話をすごく真剣に聞いていることだった。彼は自分が頭が良いという自負があって、他の人たちのことを見下しているようなタイプの人。だから、きっと彼女のことも常に見下しているし面倒くさいとも思っているんじゃないかと心配していた。本人に対してめんどくせえって言うような人だからね。でもどうやら普段から彼女のことを見下したりバカにして話を適当に聞いているっていう感じではないらしい。今日の雰囲気を見るに、彼女のことをある程度信頼して、彼女の正当性とか彼女の行動を評価している部分があるなと感じた。これはとても良い収穫だった。思ったことをそのまま口に出したり、態度に出したりする人だから、興味深そうに彼女の話を聞いたり、彼女の行動に対してそれでいいよというような肯定する発言をするってことは、本当にそう思っているっていうことだろう。

　今日は誰かに話が集中するってこともなく、みんな好きなようにチンピラに対する愚痴を言って、合間合間にY君をいじってあそんで、楽しく話ができた。

　乗り気ではなかったものの、終わってみれば美味しいものが食べられてわいわい話ができて、よかったなと思った。なにより彼女と一緒にご飯が食べられるのがいい。同じ空間にいられるのがいい。彼女が僕に料理を取り分けてくれたりして、幸せだった。

　彼女はやっぱりいつもどおり、全体のバランスを上手く取って、必要なところに効果的な発言を組み込んでくれていた。彼女がいると会話が偏ったり停滞したりしなくていい。それに僕が安心して好きなように喋れる。何か変だったり失敗したら彼女が助けてくれるって思っているから。隣に彼女がいてくれる安心感ってすごくある。

　解散してから、彼女と二人すこし一緒に話をして家に帰ってきた。後味も悪くなかったし、疲れてはいたけど楽しかったし、彼女と一緒にいられたし、良いお食事会だったなと思う。いつものことだけど、僕が楽しめたのは彼女のお陰だなって思う。ありがとう。