かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

期待値

 彼女はもしかしたら、他人に対する期待値が高いのかもしれない、と思った。

 そこでちょっと考えてみることにした。

 今日仕事をしていて、ふと後輩の仕事ぶりについて思うことがあった。これやれてねえなっていう、だめな部分をいくつか見つけたのだ。でも僕はそれについて全く嫌な気持ちにならなかった。あー仕事できないもんなあいつ、って思ったくらいで、黙々と仕事を続けた。で、その時にそういえば以前彼女が、同じことについて、いくら言ってもやれてない!って怒ってたことを思い出した。

 なぜ彼女は後輩の仕事のできなさに苛立って、僕はなんとも思わなかったのかなあと疑問に思った。

 僕がどうしてなんとも思わないのかに関しては簡単なことで、僕は後輩の仕事ぶりに何の期待もしていないのだ。できない前提でいるので、できていなくても、あぁやっぱりできてないやという感想しか生まれない。そりゃあそれによって仕事が増えたり時間を無駄にするなどという悪影響が大きければ苛立つだろうけど、今日は心に余裕があったのか時間に余裕があったのか、なんとも思わなかった。

 その流れから、ということなら彼女は後輩に対して期待している部分があるんじゃないのか、と考えたのだ。

 これくらいは出来るはずだとか、これくらいはやって欲しいという期待感があるから、できてないと嫌な気分になったり苛立ったりするんじゃないかなという仮説。

 僕にもそういうときはもちろんあって、これやっといて欲しいなとか、これはやるのが当たり前だろっていうようなものをやって貰えてないとイラッとする。やっとけよくそが!って思いながら尻拭いをすることになる。そのイラッとする部分に引っかかるかどうかっていうのは気分だったり自分のこだわりに左右されると思う。

 後輩の仕事のできなさは、最低限出来ていないといけない部分までおろそかになっているレベルなので、その最低限できている状態を期待するのは決して間違いじゃない。彼女が能力以上の高いレベルを要求して期待しているというわけではない。

 となると、彼女の期待しているものは、後輩に出来る範囲のことだし、真剣に注意深く取り組めばかならずできるはずのことで、決して期待値が高いわけではないということになる。

 つまり今日の議題である、彼女は他人に対する期待値が高いというのは間違いで、正しくは他人に対する期待値が僕よりも高いということになる。なんとも微妙な議題になってしまった。

 期待っていうとなんだか、わくわく!な感じがしちゃうけど、別の言い方をすれば、見込みかな。これくらいはやってくれるだろうと見込んでいる状態を裏切られればそりゃあショックもあるし怒りも湧くだろう。しかも彼女の場合、それができるように注意したり指導したりした結果、やっぱりできてないという状況。もう全てを投げ出したい気分になるだろう。不憫である。

 彼女が見放してしまったら、他に誰も指導してくれないし注意もしてくれないだろうから、彼女が期待してくれている状態というのをありがたく受け止めて頑張らなくちゃいけない。みんな。でもみんな自覚がないのよね。仕事できないし。困る。

 僕も彼女に期待してもらえているから、僕はそれに応えられるよう日々気を抜かないでがんばろうと思っている。僕の場合は仕事じゃなくて彼女のためにすることに関してね。

 彼女になんの期待もしてもらえない状態、考えただけで怖い。そうならないように努力をしていく。