かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

やっぱり指導者

 彼女は人の意見や環境に左右されにくいんだろうな、と思う。

 環境や周りの意見に合わせて自分の主張をコロコロ変えるような人ではないということ。

 こうした方が絶対に良いよって言われたとしても、自分の中で納得しなければそれに従うことはない。もちろん、相手の意見が正しくて彼女が納得できるのであれば、素直にそれを受け入れる柔軟性も持ち合わせている。単純に頑固な人っていうわけじゃない。

 以前から僕は彼女の良い所として挙げている、自分を持っているっていうのはこれのことだ。

 多くの人は自分の意見を通すことよりも、相手の意見を受け入れることを選ぶ。それは衝突を避けるためでもあるし、そちらのほうがエネルギーを使わない楽な選択だからだ。意見をぶつけ合って相手を嫌な気持ちにさせることが嫌だし、噛み合わない会話をして意見をすり合わせることも無駄に思える。そんなことをして嫌な気分になるくらいなら、自分が主張するのを我慢したほうが楽だ、と思うからそうなるんだと思う。

 彼女は違う。彼女にとって自分が我慢するというのが一番嫌な選択になる。意見を衝突させて言い合いをするのは嫌だし、噛み合わない会話は嫌だし、主張して相手に嫌な思いをさせるのも嫌。でも言いたいことを言わずにいるということもできない。それは彼女の譲れない部分だと思う。

 彼女は頭が良いから、自分がどれだけ正しいことを主張しても、相手が受け入れてくれなければ相手にとっては自分が口うるさいだけの存在になってしまうことも、相手が間違っているのを指摘するという正しい行為が相手に不快感を与えてしまうことも、全て理解している。馬鹿みたいに正義感だけを振りかざして、自分が正しいと大声で主張する人とはそこが違う。

 だから彼女は何かを主張することで、満足感とか達成感みたいなものを得ることは殆どない。極力不快感を与えないように配慮したり、相手の主張を出来る限り理解しようとしたり、最大限の気遣いをした上での主張だから、すっきりどころかむしろストレスが溜まる結果になる。

 そんな大変な思いをしたり、へこんだり不安になったりしながらも彼女は流されることなく自分を持っている。

 みんなが間違った方向へ流れていこうとするのをせき止められるのは彼女みたいな人なんだろうなあって思う。みんなどこか違うなとか変だなって思っていてもそのまま流されていってしまうのを、彼女が違うとか変だって主張することで流れを変えられるんじゃないかな。

 民を正しい方向に導く指導者みたいな。

 彼女にこれすごく可愛い!って紹介しても、それに対してすごく可愛いね!って安易に返してくるんじゃなくて、ちゃんと彼女が一旦自分の中で受け止めた後に、こちらの意見に流されずに自分の感想を述べられるっていうことについて書こうと思っていたのに少しそれた。でも言いたかったことは一緒。

 苦労する生き方しているなあって思う。どうしても損な役回りになるポジションに居る。それでも彼女は頑張っている。少しでも楽になるように助けてあげたくなるよね。