かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

我慢

 彼女はお菓子を食べるのを我慢できない。

 お腹すいたら食べるし、お腹すいてなくても食べちゃう。夜遅くでも食べちゃう。ダイエットしなきゃって思ってても食べちゃう。開封したら食べきるのが普通。

 ダイエットしたいなら食べるのをやめればいいじゃないって僕は思うんだけど、彼女からしたらそんなことは分かっているけど食べてしまうってことらしい。食べずにはいられない、みたいな。

 どうも彼女は我慢することが苦手なんじゃないかなーって思う。我慢ができないとか、我慢をしていないというわけじゃなくて苦手。

 お菓子を食べたいという欲求を我慢することで生じる苦痛と、お菓子を食べたあとに生じる問題を比較した結果、先のことよりも今苦しいという状態を優先させてしまうので、お菓子を食べてしまうんじゃないだろうか。

 お菓子を我慢する「苦痛」お菓子を食べる「幸福」食べてしまった「後悔」

 お菓子を食べる前の状態では、まず「苦痛」があってそれを解消することで得られる「幸福」が目の前に提示されている。「後悔」はまだ見えないし先にあるかも分からない。ならば「幸福」を手に入れたくなるものだ。お腹が空いたからごはんを食べるというごく自然な流れも「苦痛」を「幸福」に変える作業だ。

 お菓子を我慢するということで生じる「苦痛」の度合いが僕と彼女では大きく違うんだと思う。僕が簡単に、食べるの我慢しなっていうのは彼女にとっての苦痛を理解していない間違った発言だと思う。 

 僕でたとえるならば、触らないでと彼女が言っている状態で、僕は彼女に触れたくて触れたくてたまらない「苦痛」があって、手を伸ばして彼女に触れれば「幸福」が得られることは分かっている。触れた場合に彼女に触らないでって言ったじゃないって怒られるのと、触れたときの幸せを天秤にかけた結果、僕はきっと彼女に触れるだろう。

 彼女にとってお菓子はストレス解消にもなっているんだと思う。食べたいのに我慢していると精神的に不安定になる。だから食べるのを我慢できないというのを問題視する前に、まずお菓子を食べたくなってしまうという状況を見つめなおしたほうがいいのかもしれない。食べたくならなければ我慢しなくてもいいのだから。

 でも彼女はお菓子大好きだし、彼女の生活はお菓子と共にあるといってもいいくらいだ。もしかしたらお菓子中毒なのかもしれない。感覚としては喫煙者と同じなのかなあ。体に悪いと分かっていても吸っちゃうみたいな。

 だとすると、いきなりお菓子を絶つのではなく徐々に減らしていくのが一番いいんだろうけど難しそう。カロリーとか糖分が少ない代替品を見つけてそれにシフトしていくとか、言うのは簡単だけど実行するのは大変だ。

 彼女はハマるととことんやり続ける性格だし、ルールに則ってきっちり行動するのとかもわりと好きだと思う。その辺を上手く利用してお菓子を我慢できるようにならないかなあ。難しいかなあ。

 僕が一緒に住んでいたら、彼女がお菓子を食べるのを実力行使で止めるのに。たぶん我慢させたら嫌いって言われるだろうし、怒られるとは思うけど、彼女のためだから心を鬼にして頑張る。

 お菓子くらい僕のことも好きになってほしいなあって思った。お菓子に嫉妬。