かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

会話の延滞

 彼女はもったいぶられるのが嫌い。

 あとで話したいことがあるとか、やっぱやめた!いい、いい!大したことじゃないから!とか、面白い話があるんだけど聞く?とか。

 確かに僕もそういうのは嫌で、なになに?話してよ!ってなる。まあそうだよね、話したいなら話せ、話したくないなら言うなって感じだ。

 彼女にとってこれはやられて嫌なことNo.1に輝くかもしれないくらい嫌なことみたい。

 あとで話があるっていう感じのもったいぶり方もそうだけど、話を聞いて欲しいけど自分から言い出さない系のもったいぶり方も嫌い。相手に自覚はないのかもしれないけど、もったいぶった話し方をする人って結構いる。何か話がある感じをにおわせておいて、相手にどうしたの?とか話し聞かせてとか言わせたい人。

 相手の意図が見えるとそれに乗っかりたくないよね。彼女もきっとそう。露骨ににおわされなくても、彼女は些細なことから相手の意図を読み取れるから余計にうんざりするんだと思う。

 だいたいそういうことをしてくる人ってのは浅はかだ。だから彼女がその人の考えを全て分かった上でその望みを叶えてあげるっていうのは、おんぶにだっこ状態というか、完全に接待になってしまうから気分のいいものじゃないだろう。

 時折彼女にはそんな感じで話を持ちかけてくる愚か者がいるので、その都度彼女は不快感を抱きながら話を聞いてあげることになる。あまりに酷かったら突き放すけど、付き合ってあげることが多いから偉いなあと思う。

 もったいぶられるのが嫌というのもあってか、彼女は面白い話だったり、困った問題だったり、言いたいことはちゃんと話してくれる。本当にちょっとしたことから、すごく大きなことまでなんでも話してくれる。

 だから逆に黙っているのが苦手。言いたくなっちゃう。サプライズで用意してあるプレゼントのことを事前に言ってしまいたくなる。言いたくてうずうずしちゃう。これは僕も同じだから気持ちがよく分かる。決して口が軽いってわけじゃないんだけど、言いたいことを我慢するのが苦手だと思う。

 僕は彼女がなんでも話してくれて嬉しいし、楽しい話も嫌な話も何でも聞けて楽しい。彼女のことをたくさん知ることができる。今日何があったとかどんなことを考えているかとか。

 彼女はもったいぶることをしないし、僕もそういうことはしないようにって心がけている。やってる方は楽しいかもしれないけど、やられた方にとってはなんのプラスもないからね。気分が悪くなるだけ。彼女といるとこういうことに気付く。

 いかに自分が今まで何も考えずに生きてきたかが分かるよね。