かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

彼女は理屈っぽいのか

 彼女に「(私って)理屈っぽいかな」と聞かれた。

 YESかNOかで言えばYESだろうと思って、そうだねと答えた。

 理屈っぽいというとあんまり良いイメージが湧かないかもしれないけど、まあ今日は彼女を理屈っぽい人だと思ってもらおう。とりあえず。

 きっと傾向として、頭の良い人は理屈っぽくなるんだと思う。

 これがこうだからこうなるんでしょ、と理論的に順序立てて説明するという行為が理屈っぽいと捉えるのであれば。

 彼女の場合で考えてみる。

 彼女は自分がとった行動について、こういう理由でこうしたというのを明確に説明できる。それは行動をする前にこうした方が良いああしたほうが良いというのを考えているからでもあるし、行動をした後に冷静に自分を見つめることができるということでもあると思う。

 ただ、多くの人は自分の行動についてそこまで深く考えているわけではない。なんとなくやったとか、こうしたほうがいい気がしたからやったとか、そんなある種適当な感覚で行動していることも多い。僕もどちらかといえばそちら側の人間で、どうしてそれをしたかという説明を理論立てて説明するのは苦手だ。

 何か失敗してしまった場合、自分はこう考えて行動したんだけど結果失敗してしまった、と彼女は自分の行動を振り返ることができる。大多数の人間は、自分の失敗に対して原因を上手く探れない。

 彼女が誰かを叱る際、どうしてそうなったのか、なぜそうやってしまったのか、なにがよくなかったのかというのを相手に考えるように言う。それは正しいし、そうしなければ叱られている相手が真の意味で間違いに気づき反省することがない。ただそれが、そのような考え方を意識していない人達からすれば、非常に難しい行為であり、理屈っぽいと感じる部分でもあると思う。

 何か良いとか悪いとか感じるものに出会った時、僕なんかは単純に良い悪いで済ませてしまうけれど、彼女はこれがこうだから良いとかこれがこうだから悪いという感じで理由とか考察を付ける。僕がこれをしようとすると、自分の感想をもう一度見つめなおして考察をしなければいけない。これもまあ理屈っぽいところなのかな。普段彼女のことを理屈っぽいなあと僕は思っていないから、そういえるんじゃないかなっていう書き方になってしまう。

 彼女が理屈っぽくなってしまう理由は、おそらく物事を正確に伝えよう、誤解がないように表現しよう、と考えているからだと思う。

 単純に「好き」とだけ発言した時に、どこが好きなのか、どうして好きなのかというのは相手の受け取り方次第になってしまう。人として好きなのか異性として好きなのか、はたまた服装が好きなのか、髪型が好きなのか、正確には伝わらない。

 自分の考えを誤解されることや、きちんと理解してもらえないことは彼女にとってすごく嫌なことだ。だからこそ彼女は多くの言葉を用いて、理路整然とした意見を述べている。より伝わりやすく、より分かりやすくなるようにって。そういう風に出来る人ってなかなかいない。簡単な事じゃない。凄いことだと思う。

 彼女は他の人の意見を聞き入れないわけでもないし、自分の考えをどうしても押し通したいっていうわけでもない。理屈で全てが解決されるとも思っていない。だから理屈っぽい要素は持っているけど、悪い意味での理屈っぽさはないと思う。

 僕は彼女の理屈っぽさは好き。