かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

忙殺

 今日は仕事が忙しかった。いつもの二倍かそれ以上の忙しさだった。

 そんな中、彼女は僕よりも長くたくさん働いて頑張っていた。

 僕が職場についた頃に彼女はもう疲労困憊だった。いっしょに働いている間は何かしらフォローをしたり、気分転換をしたりしてお互いを助け合えるけど、どちらか一方が働いているっていう状況だと助けてあげられないからつらい。

 彼女にとっての後半戦は一緒に働けるので、とにかく僕は頑張って働いて彼女に負担がなるべくかからないようにしようと思った。

 忙しくて懸命に働いて、へとへとになりながら頑張っていたら、終盤やっと余裕ができてちょっとだけゆっくりできた。

 頑張った反動で僕も彼女もかなりぐったりしてだらだらした。きっと僕は彼女の半分くらいしか疲れてないんだけどね。こんなで疲れたなんて言ってちゃいけない。

 余裕ができて、彼女と一緒にゆっくりと作業している時間がとっても楽しかった。疲れた心が癒やされる。

 今日の帰りにひょんなことから上司(女性)の妹さんの写真を見せてもらうことになった。それを見た彼女と僕の感想が、妹さんも可愛いけどお姉さん、つまり上司のほうが可愛い!というものだった。上司も素直に喜んでくれて盛り上がった。その話が終わりかけた時に、彼女がつぶやくように「お姉ちゃん可愛い…」って言った。次の瞬間彼女は、はっ!ってなって今思わず口に出ちゃいました!って言って取り繕っていたんだけど、本気で慌てているのが僕にはよく伝わってきた。口にだすつもりはなくて、彼女の頭のなかで妹さんも可愛いけどお姉ちゃんが可愛いやーって再確認していた過程で思わず言ってしまったんだと思う。普段わりと冷静な彼女が、しまったーって顔しながら慌てている姿はなかなか見られないので、今日は良いものがみれた。たぶん他にいた人たちは上司を含め、そこまで彼女が慌てているとは思ってなかっただろう。

 彼女はその後、狙った発言というか媚びた感じになってなかった?ってすごく心配していた。確かに、彼女としては勝手に出てしまったような言葉が計算されて発言したと思われていたらかなり嫌だろう。上司を持ち上げようとして敢えて言ったと思われても嫌だろう。

 あの場にいたみんな、彼女が独り言のような感覚で発言してしまったことは理解していたと思うので、大丈夫だろう。

 僕は慌てた彼女が可愛かったのと、思わず口に出ちゃった彼女が可愛かったのとで非常に得をした気分になった。やっちまったーって顔した彼女が見れてよかった。

 たぶんきっとすごく疲れてたんだろうね。

 忙しい日だったけど、彼女と一緒にがんばれてよかった。彼女にはゆっくり休んでもらいたい。