かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

写真とセンス

 彼女のセンスがいい話。

 彼女のセンスの良さはみなさんご存知の通り。

 音楽や映像を受け取るセンス。良いものを良いと感じ取るセンス。物事の正解を導き出すセンス。いろいろあるけど、彼女は大体うまくやれるセンスを持っている。

 そんな彼女が苦手というものがある。

 写真。カメラで写真を撮るのが苦手、というか上手く撮れないとおっしゃる。

 そうなのかーと僕はそんなに重く受け止めず、まあ苦手なものもあるだろうと思っていた。でもきっとそこまで酷いわけじゃないだろうなと思っていた。彼女ほどのセンスを持った人がセンスを必要とする写真というものを上手く扱えないはずがない、という理由からだ。

 写真の上手い下手の前に、彼女は写真を撮りたがらない。だから彼女と仲良くなってから最初の頃は彼女が撮った写真を見る機会すらなかった。出掛けた先で、自分は上手く撮れないからって僕に写真を撮るのを任せたりするくらいだった。

 徐々に彼女の写真を見る機会が出てきて、何枚か見たときに思ったのは、下手どころかいい写真が撮れているじゃないってこと。やっぱり彼女はセンスがあるから、良いものを写真として切り取ることができる。タイミングとか角度とか距離感を理論としてではなく、感覚で掴んでいる感じ。だから良い写真が撮れてるなあって感じるんだと思う。

 最近は一緒に食べた物の写真を撮って記録したり、甥っ子の写真をたくさん撮ってくれているから、以前より彼女の写真をたくさん見ることができる。食べ物の写真を撮るのがかなり上手い。何かで軽く勉強したらしく、僕が撮った写真よりだいぶ良い写真が撮れる。食べ物って撮り方によって美味しそうにも不味そうにも見えてしまう。彼女の撮った写真はとっても美味しそうに見える。センスに技術がプラスされたら僕としては太刀打ちができない。

 甥っ子の写真もいい笑顔のものがたくさん撮れている。時折ブレていたり、甥っ子が瞬きしたタイミングで撮れてたりっていうのはあるけど、それは誰が撮ったってそうなる。動く被写体はすごく難しいからね。プロだって何枚も同じ写真を撮って選別していいやつ出してるわけだし。

 だから彼女は写真撮るの上手だと思う。下手ではない。

 最近、思い出フォルダというのを作って二人で遊んだ時に買ったものとか食べたものを写真に撮って、そこに保存しているんだけど、これは画期的だ。僕と彼女、お互いの視点からその日の思い出の写真を見ることができる。時間が経ってもその時のことを思い出せるとっても良いツール

 彼女が撮った写真というだけで僕の中でプラス補正があるのかもしれないけど、僕は彼女の撮った写真が好きだ。良いものを写真で切り取るのにはやっぱり彼女が持っているセンスが輝く。