かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

巻き込む

 彼女は巻き込む力を持っている。

 ん?どういうこと?ってなると思うので今から解説していく。

 彼女の話にはよく人名が出てくるという話を前にしたと思う。僕の全く知らない人でもばんばん名前が出てくるので、何度も挙がる名前の人に対してちょっとした知り合いみたいな気持ちを抱くことがある。彼女の友人だったり趣味の活動を一緒にしている仲間だったり、いろんな人の名前がでてきて僕は最初全く覚えられなかった。

 僕に話すのと同じように、彼女はきっと僕のことも話しているんだと思う。そうするとどんなことが起きるかっていうと、彼女を介して顔も知らない相手同士が何となくお互いの情報を知っているという不思議な状態になる。

 いつの間にか彼女を中心とした友達の輪の中に入っているような感覚。みんなともだち。

 巻き込むっていうと迷惑っぽいニュアンスに聞こえるかもしれないけど、そういうんじゃなくて気付いたら仲間に入れてもらえてるって感じ。とってもありがたい話なのだ。

 同じような感じで、僕の存在は彼女のご家族にも認知されている。甥っ子の画像を弄ったものは彼女の家族に公開されているらしいし、僕が甥っ子好きというのも広く知れ渡っている。他人の子なのにどうしてそんなに可愛いのかねとお母さんに不思議がられているらしい。

 家族とか趣味繋がりの友人とか職場繋がりの友人とかっていう個々の独立したコミュニティがあって、その枠を越えて交流を持つというのは今までの僕にはない考えだった。

 周囲の人々という大きなまとまりの中に、職場、友人、家族みたいに区切られたコミュニティがあって、それは全て彼女を中心として関わり合っているという感覚。言葉で表現しようとすると難しいなあ。伝わるかなあ。

 たとえば、僕は職場の知り合いと大学時代の知り合いをそれぞれ別のコミュニティの知り合いと捉えているから、職場の知り合いと大学の知り合いを交流させようという考えに至らない。でも彼女にとっては、どちらも彼女の知り合いという括りの中に入っているから、機会があれば一緒に遊んだりして交流して仲良くなってもらいたいって思える。

 僕の人付き合いがたぶん閉鎖的なんだろうね。それに比べて彼女が非常に開放的というか、いろんな方向に扉を開いている感じ。最初に僕が彼女をリア充っぽいって思ったのはこういう部分も影響していると思う。

 交流がすごくオープンで知り合いが多くて、僕とは生きる世界が違うのかななんて思ってた。

 でもいつの間にか僕も彼女の輪の中に入れてもらえて、楽しくやれている。自分を取り巻く世界が広がったような気さえする。

 彼女の巻き込む力、分かってもらえただろうか。

 知らない間に巻き込まれていつの間にか楽しいことになっているみたいな、魔法のような力なのです。