かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

かたち

 今日ふと、彼女以外の人と話している僕は無意識のうちに一歩引いているなって気づいた。当たり前といえばそうなのかもしれないんだけど、今まで僕は誰に対してもそれくらいの距離感で接していたなあって思い出した。がっつり踏み込まないことで、相手の反応の良し悪しとか発言の良し悪しとかそういうものに影響されないようにしていたんだと思う。

 知らないうちに、気付かないくらいゆるやかに、僕が感じる彼女との距離感はゼロへどんどん近づいていたらしい。

 そう思ったのには2つの出来事があって、一つは彼女がいない時に誰かと話していて、あぁこのノリは出せないなみたいに自制したことがあった。この発言とこのテンションは見せられないなあみたいな。勝手に自主規制したんだけど、そもそも昔はそんなことをやろうともしなければ思いつきすらしなかっただろう。彼女相手には一切そんなことを思わない。自制心は彼女にくっつきたいとか頭をなでたいとかいうのを我慢するときくらいしか使わない。

 もう一つは彼女を含めた何人かで話している時、彼女のフリに思わず乗っていつもの感じで変なこと言ったり変な顔したりするんだけど、これ彼女は普段通りって思ってくれるけど他の人どう思うんだろうって考えたこと。わりと最近は好きな様にやってるけど、それでも普段の僕と彼女の前の僕とでは多少差異があって、他の人からしたらそのギャップにびっくりする可能性はある。

 僕はどうやら今までかなり自分を抑えていて、彼女によってかなり開放されたんだなあって思った。

 何年か前まで、年の割に落ち着いてるねって言われ続けてきた僕だ。最近は年の割にはしゃいでいるような気がしてならない。単に僕のそばに一緒になってはしゃいでくれる人がいなかったのか。一人で孤独を享受していればそりゃあ落ち着いているよね。一人で騒げないもの。

 彼女が一緒にいてくれることで、僕は僕自身を素直に出せる。他の人に対してはそうはいかないので、一歩引いているんだなってことを改めて自覚した。

 気持ち悪い発言やら変な顔やら、同僚が見たらドン引きしそうなことを彼女の前では平気でできる。昔に比べたら面白味のある人間に成長できたんじゃないかなあと思う。

 同じように彼女も僕の前では見せられる部分ってのがあると思う。

 僕と彼女の間にもあったはずの距離とか壁とかそういうものはいつの間にかなくなっていたんだなあって思うと凄く嬉しい。これは他の人が一朝一夕でできることじゃない。一緒に過ごしてお互いに素直に見せられない部分を見せてもいいと思えるようになるまで時間が掛かる。時間だけじゃなくてそう思える相手であることも大切だ。

 そしてきっと、彼女じゃなきゃだめだったと思う。こんな風に自分を出せる相手は彼女しかいない。彼女と今まで積み重ねてきたものは他の誰かとでは絶対に作ることのできない形になっているはずだ。

 彼女と一緒にいられてよかったなあって毎日のように思っているけど、今日もまたそう強く思った。