かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

SF的思考

 時間が僕が今の職場に異動してきて彼女と出会った時に巻き戻ったとしたらっていうのを考えていた。以前にも似たようなことを考えて記事を書いた気がする。お気づきかもしれないが、僕はこういう妄想をするのが大好きなのだ。

 僕らの出会いは別段運命的なものではなかったし、当初はお互いに微妙な距離があって、特に僕が持ち前の人見知りをかなり発揮していたから、すぐに仲良くなったということはなかった。ゆっくりと時間を掛けて仲良くなった。

 だからもし急に今の僕がその時に巻き戻されたとしたらどうなるだろうって考えた。記憶は今のままね。

 僕は彼女と仲良く過ごした記憶があるわけだから、距離感があることは分かっていても親しい感覚で接してしまいそう。苗字で呼ぶのにも抵抗感があるだろうなあ。今の彼女にだから見せられる僕の素顔というのもあるわけで、それは積み重ねてきたものがあるからできることで、それが何もない状態で彼女に見せてしまったら、ドン引きされる。

 いつもどおりの感覚で名前をいきなり呼び捨てしたら、こいついきなりなんなの馴れ馴れしいって絶対思われるし、肩に触れるとか頭なでるとかそんなのも絶対やったらダメだろう。

 僕が勝手に距離を置いて、彼女に対して積極的に行かなかった、いや行けなかったことが結果として、彼女が僕に対して働きかけようって思ったことにも繋がるだろうし、当時の僕が自然体でいたからこそ彼女と仲良くなれたわけだから、今仮に僕が巻き戻ったとしても最初は一定の距離感を保っていたほうがいいだろう。

 でも今の僕は彼女の好きなものも嫌いなものも、考え方もそれまで過ごしてきた過去の話もだいたい知っているわけで、それを効果的に利用していけばきっと彼女とすぐに仲良くなれるはずだ。いやもういっその事未来の記憶を持ったまま巻き戻りましたって言えばいいのかな。彼女は一体どんな反応をするんだろう。

 信じてくれそうな気もするけど、馬鹿にしてるって思われそう。でも僕にはそれを証明する力があるからね。彼女の好きな食べ物とか嫌いな食べ物をことごとく当てていけば、なんで私の事そんなに知ってるの!?ってなって信じてくれるはず。気持ち悪がられるかな。

 そんなリスクを犯さなくても、僕は過去の自分の行動を参考にもっと良い行動を取っていけばいいのかな。今なら序盤からもっと彼女に気を遣わせないで、嫌な思いもさせないで一緒にいられる気がする。序盤の僕よりは確実に今の僕のほうが成長しているからね。

 すごく仲良かったのに、それがただの同僚レベルの関係に戻るって相当つらそう。彼女が今僕に向けてくれる笑顔とか、僕だけに見せてくれる姿を当分見ることもできないんだから。彼女が目の前にいるのに、僕の知っている彼女じゃないみたいな。あぁつらい。

 何度巻き戻ったり人生をやり直すことになったとしても、僕は今と同じように彼女と出会って彼女を好きになりたい。彼女と出会って今に至るまで一度も後悔なんてしたことがないからね。もっと彼女のために何かすればよかったとか、もっとうまくやれたよなとかいう後悔はしてるけどね。

 僕の時間が巻き戻ったとしたら、僕は彼女との関係を現状と同じレベルに戻すために必死に努力するだろう。今が僕にとって素敵な状態だからね。