かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

100枚の写真

 今日は彼女と遊んだ。

 今日のメインは彼女の甥っ子の写真をプリントしてもらう為にお店へ行くことだった。やらなきゃいけないことを後回しにしているとそれが気になって他のことを楽しめない二人なので、大切な用事は早めに済ませて安心しておくほうがいいだろうと一番最初に向かうことにした。

 おっとその前にコンビニでご飯を買って、駐車場のある公園で食べたんだった。この公園大好き。ここで彼女が買い物に行った時に僕におみやげとして買ってきてくれたプレゼントを渡してくれた。事前におみやげ買ったよという報告をもらっていたので存在は知っていた。彼女は気に入ってくれるか分からないと不安げだったので、一体どんなものをくれるのだろう、と不安と期待が入り混じった状態だった。彼女がくれるものはだいたい僕が喜ぶものだろうっていう信頼があるんだけど、それでも彼女が自信なさそうだったので、一応もし微妙なものが来るのかもしれないという覚悟もしていた。

 結果的には予想を一段階飛び越えたくらいのとっても面白くてびっくりするようないいものを貰えてすごく嬉しかった。やっぱりセンスある。僕の信頼はより強いものとなった。

 食事を終えた僕たちは目的地へと向かった。

 諸事情あって普段行かないお店へ行ったので、道中が新鮮だった。

 彼女のスマホを機械に繋いで欲しい写真を選んで、プリントしてもらうっていう流れなんだけど、ここで問題が発生。彼女のスマホを繋いでも機械が反応しない。写真を選べない。大ピンチである。しかし僕には秘策があった。SDカードに彼女から以前送ってもらった可愛い甥っ子画像を、手元にある分すべて入れて持ってきていたのだ。彼女のスマホの調子が良くないことは知っていたから、昨日のうちにせっせと準備しておいた。有事に備えてって感じ。もし何事も無く彼女のスマホが使えればそれでいいし、なにか問題があったらじゃーん!って出してくればいいやって思ってた。僕が持っていない写真を彼女はたくさん持っているだろうから、SDカードを使う機会が訪れないほうがいいなあとは思っていたんだけど、役に立ったので良かった。

 無事メインの用事を済ませた僕たちは、次の目的地を彼女が欲しい化粧品でも見に行くかというちょっとおぼろげな感じに定めて走りだした。

 行きに走った道を戻りながら、途中で見つけていた気になる公園みたいなところへ立ち寄った。芝生があって、ちょっと座ってみたりして、ぐるーっと歩いて回って帰ってきただけなんだけど、楽しかった。彼女とはなんとなく気になる、特に名所でもないスポットみたいなところへ立ち寄りたくなる。なんだかわくわくしてしまうのだ。暑かったから嫌かなあって思ったけど、彼女は快諾してくれたのでよかった。嬉しかった。

 更に走っていたら、彼女がこの辺知っている!って言い出した。どうやら今は亡きおばあちゃんの家がこの辺にあるらしく、せっかくなのでその家の前を通ってみることにした。ただ通りすぎるだけなんだけど、すごく価値のあることに思えた。

 その後ナビを見ずに走っていたら、知らない景色が流れ始め、あぁこれはちょっと困ったなって思ったんだけどなんとなくここを進んでいけば大丈夫という感覚はあったので、適当に走り続けていた。目的地を定めて、分かりやすい道とか最短ルートとかを考えて向かうのもいいけど、ある程度気ままに車を走らせるのも楽しい。彼女が途中でドライブ楽しねって言ってくれたけど本当にそうだなあって思った。すごくこの時間を楽しんでいた。

 たまーに行く品揃えの良いドラッグストアに行くかなって思っていたんだけど、その前にソフトクリームでも食べようって話になった。今日めっちゃ暑かったからね、アイスでも食べないとやってられない感じだった。

 ではとりあえずソフトクリーム食べれるところに行こうーって走ってたんだけど、途中で彼女と以前立ち寄ったお店を見つけた。メインは販売なんだけど、喫茶店もやってますよ的なお店。前回は買い物目的で立ち寄ったので喫茶店には見向きもしなかったんだけど、かき氷という看板を見た彼女が、かき氷でもいいんじゃない?と提案してくれたので寄ってみることにした。

 前から一度入ってみたいと思っていたので、わくわくした。

 かき氷ー!と思って入ったんだけど、メニューを見ていたら他にも美味しそうなものがたくさんあって、僕がかき氷を頼んで彼女は別のものを頼んでみることにした。結果は大正解。かき氷はもちろんすごく美味しくて、彼女にもちょっと食べさせてあげられたし、彼女が頼んだものも一言では言い表しづらいものなんだけど、そのときの彼女が求めていたものにぴったりで、すごく気に入ってくれたようだった。すごく雰囲気の良いお店で、10月頃にまた来ようねなんて話をした。

 せっかく来たので買い物もしようってことで、販売スペースの方へ行った。そしたら彼女の好きな商品があって、それを見つけたときの彼女のリアクションがすごく可愛くて、なんだそれは!って僕に衝撃が走った。破壊力がすごかった。かわいすぎた。どんなかって言葉にしにくいので、残念ですがすごく可愛かったことだけお伝えしておきます。

 その後予定通りドラッグストアに行って、一緒に化粧品を見て回った。仕事の関係でお化粧の自由度が制限されているので、彼女のしたいお化粧が100%できるかといったらそうじゃないんだと思う。でもその可能な範囲でこれがいいかも、あれを使ってみたいみたいな楽しみがあって、僕はその彼女の楽しみに関与できることが嬉しい。彼女は手の爪にネイルが塗れないからフットネイルを夏場よくしているんだけど、今日はそれの新しい色を買おうと二人でこれがいいあれがいいって言いながら探した。彼女の求めている色のイメージをまず把握して、そこに僕の好みを加えて、導き出された色のイメージを共有しながらこれが近い、こっちのほうが良いっていうような議論を交わし、二人とも納得できるネイルを選べた時が最高に楽しかった。めっちゃテンション上がった。候補に上がった他の色と比べて、こっちが圧倒的に強い!とか言って遊んでた。楽しかった。

 他にも彼女が欲しいものがいくつかあって、どれがいいかなあって探しまわった。彼女の楽しみって色々あるけど、お買い物でいうと化粧品を買うのがかなり楽しそう。きっと素敵なものを買ったらストレス解消になるし、実際にそれを使うときにもわくわくしながら使えるだろうから、とってもいい買い物だと思う。

 そのためには納得のいく良いものを買わないといけないし、買った後に後悔しないように冷静に慎重に買い物をする必要がある。

 今日はカゴに入れた商品の合計金額を僕が計算して伝えて、冷静さを保ちながら買い物をした。非常に効果ある。是非皆さん浪費を押さえるためにカゴに入れた商品の合計金額を計算してみてください。

 欲しいものはたくさんあったけど、とりあえずいくつかは我慢しようってことになって、熟慮の末3つだけ買うことになった。英断だったと思う。間違いなく必要なものと、一緒に選んだネイルと、もう一つ使うのがわくわくするであろう自分へのご褒美的なもの。彼女が買った後後悔しないバランスのとれた良い選択だった。

 ドラッグストアでの買い物を無事終えた僕たちは次に、同僚の誕生日プレゼントを探しにスーパーへ立ち寄った。ちょっと高級なお菓子でもあげようっていう感じだったんだけど、その同僚は好き嫌いが激しくて何をあげたらいいか分からず、また僕と彼女はそれほど親身になってその同僚の好きそうなものを時間を掛けて選ぶということをしたくなかったので、安全牌のお酒をプレゼントしようと思った。だが高い。奴が好きなお酒は高かった。断念。お互いが思い描く予算を軽くオーバーしていた。しかたがないので仕事がんばれよの意味を込めて栄養ドリンクをプレゼントすることにした。良いプレゼントだと思う。

 次にスーパーの近くにある本屋さんに寄り、僕と彼女がお気に入りの漫画が出ているのを見つけて買った。彼女が集めているので彼女が購入し、読み終わった後僕に貸してくれる流れ。ありがたい。僕もあまりに気に入ったので二巻まで集めてあるんだけどね。

 で、100円ショップにも寄って甥っ子の写真を入れる用のアルバムを購入。ちなみに僕も欲しい写真を何枚か注文させてもらったので、32枚入るアルバムを買っておいた。その甥っ子からしたら僕はただの知らないおじさんなのに、アルバムを用意するくらい写真を持っている状態って非常に不思議である。きっとその状態に理解を示してくれるのは彼女だけだと思う。

 目的のお買い物はこれで全部終了。残りは車内でまったりと過ごすことにした。足がすごく疲れているとのことだったのでマッサージをして、彼女はさっき買った漫画を読むというくつろぎタイム。彼女の言うとおり、足がこってるなあって感じだったのが、マッサージをしていると少しほぐれてくるので楽しい。すごく楽になった!と言ってもらうにはもっとじっくり時間を掛けて本気でマッサージしないといけないのでそれはまたの機会にするとして、今日は軽く足をほぐした。

 そうしていると彼女がぐったりしてきた。どうも最近調子が良くないみたいで、昨日の夜も調子が悪くて眠れないようでつらそうだった。昨日は電話の向こうでつらそうな彼女を僕は無力感を噛み締めながら励ますしかできなかったから、今日はそばにいることができてよかったなあって心の底から思った。彼女のつらいのを取り除いてあげることはできないけど、それでも隣にいてあげることはできるし、頭をなでてあげることもできる。触れられるっていうのはすごく大きい。

 元気がなくなってしまった彼女が申し訳なさそうにしていたけど、僕はその時彼女のそばにいられる幸せを噛み締めていたので全然気にしなくていいよ!っていう感じだった。嬉しさでいっぱいだった。

 彼女がたとえぐーぐー寝ていたとしても、僕は彼女の隣にいられて嬉しいし、頭をなでていられるからそれで幸せだし、何の問題もない。手が届く範囲に彼女がいてくれる幸せ。これは何にも代えがたい。

 二人ともあんまりお腹空かないなーって感じだったので晩御飯を食べるのをやめて、帰りがけにコンビニで何か食べるものを買って帰ることにした。食事に費やす時間をまったり過ごす時間に替えた感じ。

 いつもより少し早い解散になったけど、彼女がゆっくりできるのが一番良いし、全く不満は無かった。

 でも最後、彼女が車から降りて僕を見送ってくれるとき、急に寂しくなって窓を開けて大きな声でバイバイって言ってしまった。うるさかったかもしれない。ごめん。なんだか寂しくて、あと彼女を最後にどうにか元気づけたくて、精一杯どうにかしようと思った結果がおっきな声でバイバイだった。もうちょっと考えよう僕。

 今日も楽しかった。いい一日だった。素敵な一日だった。ありがとう。