かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

てぬぐい

 お泊りでお出かけだった彼女が今日帰ってきた。僕が仕事を終える時間に合わせて帰ってきてくれたので駅まで迎えに行った。

 仕事の疲れと、彼女がいなかったことでのテンションの低下をなんとか最小限にとどめて彼女を明るく迎え入れようと思っていた。彼女が駅から出てきてこちらに向かってくると、小さめのキャリーバッグを持っているのが見えて、あぁ結構大荷物だったんだなあとか、前回お出かけしたときもあれ持ってたかなあとか考えていた。

 彼女は荷物を受け取りに来てくれないの!ってぶーぶー言いながら車に乗り込んできた。ぶーぶー言ってるのは可愛いくて面白い。僕は気が利かなくてごめんねーと思いつつ荷物を後部座席に乗せるお手伝いをした。

 彼女が助手席に座るとふわっと知らないにおいがした。いつもの彼女と違うにおい。僕の知らないところに行っていたんだなあって強く感じた。大好きな彼女が隣にいるはずなのになんだかちょっと違う、みたいな感覚。飼い主さんが帰ってきて嬉しい!って喜んだけどにおいが違って、あれ?あれ?おかしいな?ってなってるわんちゃんみたいな気分だった。

 飛び抜けて鼻が良いってわけでもないけど、においに対する意識の高さが裏目に出てしまった。

 そのにおいの違和感がしばらくつきまとっていたんだけど、目の前にいるのは大好きな彼女だし、においがどうのってことで彼女と離れているなんていう選択も嫌だった。次第に鼻は慣れていくもので、それプラス気持ち的に受け入れられたのもあって最終的には問題なくなった。

 今思えばそんな事に気を取られてないで彼女との再開を喜んでおけよ!ばか!って思うんだけどね、本当に上手くできない自分にがっかりする。彼女にも申し訳ない。

 で、彼女はおみやげを買ってきてくれていた。

 彼女が出掛けている際中におみやげ欲しい?って聞いてくれて、僕は楽しみにしてるねー!って言っておいたのだ。変に遠慮して、無理に買わなくていいよーとか、欲しいけど無理しないでねーみたいなことを言うよりも素直に欲しがろうって思ったから。

 そしたらすごく素敵なものを買ってきてくれた。かばのてぬぐい。僕と彼女の間でものすごく流行っているかば。それのてぬぐい。しかも職人の手染め。超いいやつ。とっても気に入ったので普段使いにするつもり。あと友人へのおみやげで、ラインマーカーを買ったっていうから見せてもらったら、ペン部分が肉球型になっていて衝撃だった。ものすごくかわいい。いいなーいいなー!って言っていたら彼女の分として買ってあった2本のうち一本をくれるって言ってくれた。なんて優しいんだろう。感動。でもちょっと申し訳ない気分になった。せっかく彼女が自分の分として買ったのに。でもそれをくれるなんて嬉しい。ありがとう。

 あと、彼女の甥っ子用のおみやげもみせてくれた。ぴーぴー音がするトラ?のぬいぐるみ(めっちゃかわいい)と、ものすごく手触りの良いリュック。これもめっちゃかわいい。背負ってお出かけはまだまだ先の話だろうけど、これを背負った姿を想像して、うへへへってなった。じぶんのおむつを入れて背負って歩く姿なんでどう考えたって可愛い。

 彼女を家まで送って帰りながら、彼女を迎えに行けてよかったなと思った。もっと一緒にいたかったし話がしたかった。本当に彼女が大切で、大好きだなあって思った。まだ会えなかった分を取り戻せてないから早く取り戻さないと。寂しかった分をなんかこう、うまいこと補いたい。

 彼女は会えない間、僕のことをいっぱい考えてくれていただろうし、気を遣ってくれていたと思う。ありがとう。

 もっと人間的に成長しなきゃなと思った。