かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

不在

 今日は彼女が不在で寂しかった。

 彼女がいない日は出勤時に露骨にテンションが下がる。まず家を出たくない。出勤してみんなに挨拶するために口を開くのですら億劫だ。笑いたくないし、しょうもないことを言っている人に返事もしたくない。省電力モードといったところだ。こんな僕の状態を客観的に見たら、こいつかなり機嫌悪いんじゃねえかと思われそうなんじゃないの?と思うんだけど、全然指摘されない。調子悪いの?って心配もされない。僕が全くみんなから心配されるような人物ではないという可能性と、心配されるほど深刻な状態に見えないという可能性。あるいは僕がこんな状態に陥っているのは彼女がいないせいだと悟られている可能性。そんな可能性たちに思いを巡らせていた。さすがに最後のはないと思うんだけどね。僕が彼女のことを好きで好きでたまらなくて、彼女がいないと寂しくてテンション下がっちゃって周りに構いたくなくなるってのが全てバレているなんてさすがにないだろう。でも彼女がいる時のごきげんな僕と、いない時のローテンションな僕をそういう意識を持って見れば気付いてしまうかもしれない。まあ僕が彼女のこと大好きだってバレたところで何にも困らないからいいけどね。胸を張って言えるよ大好きだってね!ははは!

 仕事をしていると、他の誰かを彼女と比べてしまう。彼女より全然使えねー全然仕事できねえー。彼女にだったらこれ頼むけどこいつには頼めねえ。これ報告したいけどできない、相談したいけどできない。みたいなことがたくさんある。特に仕事の出来っぷりが彼女以外の雑兵共はレベルが低すぎて、指摘するのも僕が手を入れるのも、もう飽き飽きだしうんざりなので知らんぷりしたい。けど仕事だからフォローしたり教えたりしなきゃいけない。苦痛。彼女がいてくれたらそんな思いをしなくても仕事は円滑に進む。

 だから今日も彼女がいたらって何度も思った。寂しいし、他の人の相手で疲れるしイライラする。彼女がいてくれたら、話をしたり一緒に作業したりして幸せな気分に浸れるというのに。

 彼女がいない日は彼女のありがたみがよくわかる。

 無意識のうちにいるはずのない彼女の面影を探してしまっていて、今日は髪型が似ている人がいて、あれ!?って胸が高鳴った。いるはずないのにね。結局彼女とは似ても似つかない人だった。

 彼女がいない時は、明日は彼女に会えるぞーとか3日後には遊べるぞーとか考えて乗り切る。先の楽しみに希望を見出さないとやってられない。今日もそうやって頑張った。

 なんだか今日は彼女の不在がとても辛かった。寂しかったよーというお話でした。

 おわり。