かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

曇り空の海

 今日は彼女と遊んだ。

 今日遊べなくなるかもしれないという可能性もあったので、無事遊べてよかった。前日まで今日のことをあまり深く考えないようにして、もし予定の変更があったときにへこまないようにと思っていた。僕が遊びたい遊びたいって言うから彼女も考えてくれたり努力したりしてくれて遊べることになったんだろうから、感謝したい。

 さて、今日はとりあえず彼女が予約していたCDを取りに行くという予定が事前に入っていた。それ以外の予定は何も決まっていなかったので、何か考えておかなきゃなと思って前日に用意しておいたのが海を見に行くという案だった。

 今日はなにするの?と彼女に聞かれた時に、当たり前だけど海を見に行くしか案を出せなくてすごく後悔した。せっかく遊べるのにこんな案しか出せなくて、貴重な遊べる日なのにもっと素敵な彼女がわーいって言うような案をなぜ僕は考えられなかったんだろうって軽くへこんだ。ずーんってなった。でもそんなことでずーんってなっていてもどうしようもないし気分を切り替えていこうと努力して彼女を迎えに行った。道中、今度は絶対前日までに明日どうするかって彼女と相談する時間を設けようと心に誓って。

 予定通りCDを取りに行って、でも目的のものの片方しか手にはいらなかったのでもう片方を探しに方々をまわった。結局目的のものは手にはいらず、他にも探していたものも見つからず、彼女には残念な顔をさせてしまうことになった。出来る限り探したという思いはあるけれど、見つけられなかったことに申し訳無さを感じてしまう。でも、彼女のために色々探しまわることは彼女の役に立てている感があってすごく好きだ。結果的に一緒にドライブして一緒に買物をたくさんできるってことだからね。

 今日も彼女を見て、何度も可愛いなあって思った。エスカレーターで隣に立った彼女を見た時とか、車の助手席に乗っている彼女とか。

 海なんて行きたくないって言われるかなあってちょっと心配していたんだけど、彼女は海を見に行くことを快諾してくれた。以前一度だけ行ったことがある場所で、駐車場と浜辺があるだけの場所なんだけど何となく気に入ったのでいつか彼女と一緒に行こうと思っていた。

 行ってみるとサーファーがいたり釣りしている人がいたりして、意外と賑やかだったので、彼女と二人、海を見ながらそんな人達を眺めていた。波が寄せては返すのを見ているのは楽しい。彼女もそういうのは好きみたいで楽しんでくれていた。一番最初に海を見に行くと伝えた時は後悔しかなかったけど、来てよかったなって思えた。

 サーファーや釣り人の観察もなかなか楽しかった。見た目とか動作だけで人となりを想像してエピソードを付けるのが大好きだから話が盛り上がった。

 波が近くまで来て慌てて後ろに下がるのとか楽しかったなあ。なんか遅れてきた青春みたいだった。わいわいやっていると彼女は可愛いし波はきれいだし、この場にいることが楽しくて僕はごきげんだった。帰りにきれいな貝殻を一つ拾った。これを見て彼女と海に行ったことを思い出せればいいなっていう乙女みたいな発想でね。

 カフェでコーヒーをテイクアウトし、素敵なラジオを聴きながら海を目指すというとってもおしゃれな向かい方をしていて、もちろんそれは意図したことではなかったのだけど、これってすごくおしゃれな感じしない?という彼女の発言で気付いてテンション上がった。まあ実際にはおしゃれさなんてほとんどなかったんだけど、文章にすれば結構おしゃれ。

 その後、晩御飯を何にしようかって話になったんだけど、お寿司かお肉という選択肢を提示され、僕はお寿司を選択した。リベンジだ。お肉という選択も魅力的ではあったが、お寿司のほうが自分で食べる量を調節できるからね。いつも行っているお店ではなくて別の所に行ってみることにした。今日はこの選択が成功して、おいしく食べれたし楽しかった。前回のお寿司リベンジは成功したと言っても良いだろう。彼女と楽しく食事ができるのは嬉しい。

 今日は買い物の面で収穫が少なくて、僕もちょっと残念ではあったけど、彼女と一緒に時間を過ごせることは何かを得ることよりも僕にとって重要な事で、僕が欲しかったものが一つも見つからなくても、行きたいところに行けなかったとしても、隣に彼女がいてくれればそれでいい。

 一人で買い物に行って目的のものがなかったらもっと落胆したりイラッとしたりするんだろうけど、彼女と一緒だと全然そんな気持ちにならないなあって気づいた。なんていうのか、まあ彼女がいてくれるからいいやって思える。

 僕が欲しいもの、求めているものはどれも彼女よりも必要なものではないから。

 彼女が欲しいものがなかったり行きたいところに行けなかったりした時のほうが悲しいし無力感にさいなまれる。自分のことよりもよっぽどつらい。

 彼女が楽しんでくれればいいと思う。彼女が楽しむために全力を尽くしたいと思う。

 彼女が楽しそうにしてくれていたら、僕も楽しくなるからね。

 海良かった。結果オーライ。そんなへこむことなかったぞって出かける前の僕に言ってあげたいけど、でも次回のためにも今日の失敗感は必要だったろう。

 次回、僕はうまくやれるのか!乞うご期待。