かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

可愛さゆえ

 Y君は最近、彼女の可愛さに気付いてきたフシがある。なぜ最初から気づいていなかったかというと、入ったばかりの頃仕事ができないというか雑だった彼は彼女によく注意されていて、彼からすると彼女は可愛いと思う対象というよりも仕事の先輩というイメージが強かったんだと思う。

 でも最近、相変わらず雑な部分はあるもののひと通り仕事をこなせるようになって、彼女の中でのY君への評価も上がってきたし、Y君自身に生まれた余裕もあって、彼女の見方が変わったのかなと思うのだ。

 今日は休憩中にソフトクリームを食べていた彼女を見て、アイス似合う!って何回も褒めた挙句、休憩時間が残り少なくなって急いでアイスを食べる彼女にかわいいって褒めたらしい。

 彼女が可愛いのは事実だから、それに関して文句はないけどさ。僕が褒めてた時よりも嬉しかったのかなあとか考えちゃってさ。最近僕が可愛いって褒めすぎで喜び薄くなってるかなあとか考えちゃってさ。

 とにかく可愛い彼女を見れたY君が羨ましかった。なんかむかつく。

 彼女の可愛さを知っていて満喫できるのは僕だけでいたいのにね。

 それともう一つ、今日は大学時代からの友人と遊んだんだけど、その時に彼女の話が出た。この友人は以前飲み会をした時に彼女と会っているので共通の友人と言えなくもない。そいつとご飯を食べていたらいきなり、彼女すごく可愛かったよなって言ってきた。唐突な発言にちょっとたじろいだんだけど、すぐに嬉しさがこみ上げてきた。飲み会直後にはそういう話が全く出てなかったから、彼女のことをどう思ったかなと気になってはいたからね。

 ついでにその友人の彼女も可愛いって言ってたらしい。

 この友人は社交辞令を全く言わないわけじゃないけど、僕に対してお世辞を言うようなやつじゃないと思っているから、僕の中ではこれは本心からの称賛として受け止められた。

 僕は嬉しくて嬉しくてね。すぐに彼女に報告した。

 彼女はそこまで素直に、褒められたー!わーい!とはならなかったようだけど、まあそれも当たり前ではあるよね。

 とにかく自分の好きな人が褒められるって嬉しいし誇らしい気持ちになる。あぁやっぱり彼女可愛いよね!そうだよね!って。自分が信じて疑わないことでも、やっぱり外部から補強されることで自信は増す。

 彼女の可愛さに関して揺るぎない自信を持つことができた。

 彼女は可愛い。間違いなく可愛いってね。

 そう考えると、まあもうY君が可愛いというのも仕方がないというか、それにいちいちジェラシー感じてたらきりがないのかなあとも思う。でもでも胸がきゅーっとなる。苦しい。

 それもこれも彼女の可愛さゆえ、か。