かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

こいこい

 一緒にいるだけで楽しい、その人のことを考えているだけで幸せ、それが恋ってことだろう。

 僕はもう一年以上彼女に恋している。その熱が冷めることはどうやら無さそうだ。

 当初、彼女が僕に優しくしてくれるから、その優しさによって好意を持ったんじゃないかって悩んでた。彼女自身ではなくて彼女の優しさを好きになったんじゃないかって。今考えれば彼女の優しさは彼女の一部であるわけだから、どっちにしたって彼女を好きになってることには変わりないなって思うんだけど、当時の僕は恋という強烈な感情で浮ついていたから、冷静に客観的にと思いながら全くそうできていなかったんだろう。

 それと同時に、この好意というのは一過性のものではないのかということも考えた。彼女に気持ちを伝えて、僕はその責任を取れるのか。彼女に好きって言って受け入れてもらえたとして、その後僕の気持ちが冷めてしまったら無責任だって思った。

 そんなことをとろけた頭で一生懸命考えた僕はどう考えても彼女のことが好きだっていう結論に至るわけで、悩んで悩んでへたれた挙句に彼女に気持ちを伝えたのである。

 よくやった僕。へたれのくせによく彼女に気持ちを伝えられたものだ。これはどうしても自分を褒めてあげないといけない。今の僕がいるのもあの時の僕のおかげなのだから。

 どうしようもなく彼女のことが好きで、伝えて断られるとか彼女が離れていってしまうかもしれないという恐怖よりも、伝えたい、伝えずにはいられないという思いが強かったんだろう。あの頃は毎日胸が苦しくて苦しくて、好きって伝えようと思った日は心臓がバクバクしてどうかなりそうだった。

 あの頃みたいな、周りが見えないくらいの猪突猛進みたいな暴走気味の感情は無くなったけど、彼女を好きな気持ちは変わらない。感情だけで突っ走ってたのが、冷静になって感情を制御できるようになった感じ。

 あぁでもあれだ、今日Y君と楽しそうに話している彼女を見て胸が苦しくなって冷静でいられなくなった。なんか最近Y君と彼女が仲良さそうに見えて、ちょっと前まで話している姿を見てもなんとも思わなかったのに、嫉妬心が爆発してしまいそうになる。自分の心なのにどうにもならなくてほんと困る。今日はなぜだかそれが顕著で、Y君と彼女の距離が近いだけでうわあああって叫びたくなるような気持ちがした。こんなことでヤキモチやいてどうするんだと自分の器の狭さに絶望しながらも、たぶんこれを我慢していたらずっとつらい気持ちを抱えていることになって、そうしていると彼女を直視するのがつらくなってきて、意図してなくても彼女に冷たい態度を取ることになってしまうと思った。過去の失敗を踏まえて僕は決心した。彼女に伝えようって。

 意を決して彼女に近づいていって、Y君と楽しそうに話しているのみると胸が苦しいって告げた。彼女はそれを聞いて吹き出した。ウケた。僕はものすごく真剣だったけどね。笑ってもらえてよかった。すぐに彼女が気をつけるねって言ってくれたから僕の心はすごく救われた。言えてよかった。

 異性の同僚と話しているの見るだけで胸が苦しくなるくらい彼女のことが好きなのだ。もうちょっと余裕を持っていられるようにしたいとは思うけど、この気持ちは上手く抑えられない。彼女のことをたまらなく好きだからこその気持ちではあるから、これと上手く付き合わないといけないね。

 僕は彼女に恋している。普段恋なんて認識していないけど、改めて文章にすると、なんだかこの文字列だけで心が踊るような気がする。

 嬉しいこと楽しいこと辛いこと悲しいこと、いっぱい色々あるけど恋っていいよね。

 彼女を好きでいられて幸せ。