かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

そいそい!

 今日は彼女がチーズケーキを作ってきてくれた!

 僕の大好物、彼女のチーズケーキ。ここで重要なのは彼女のチーズケーキが「大好物」なのであって、普通のチーズケーキは「好物」ということだ。彼女の作ったチーズケーキが本当に素晴らしくおいしいので大好物に指定されている。

 同じように僕の大好物に指定されている、彼女の作ったクッキーは彼女がレシピを紛失したのでもう二度と食べられないらしい。すごく悲しいのでどうにか家中を探してレシピを発掘してもらいたいと思っている。そしてもう一度作っていただきたい。

 彼女が作ってくれるお菓子たちをおいしいと感じるのは、お菓子自体がおいしいことはもちろんだけど、もう一つ彼女が作ったという情報があるからなのかなと思う。同じレシピで彼女と同じように誰かが作ってくれたとしても、もしくは自分で作ったとしても、おいしいはおいしいだろうけど、彼女から貰った時に感じるおいしさには届かないだろう。彼女が手間を掛けて作ったものに特別な魅力を感じる。付加価値のようなものだろうか。

 僕のためにだけ作ってくれたわけではないのは分かっているけど、僕が喜ぶところを想像しながら作ってくれたのかなあって考えるとうれしくなる。今日のは素敵な紙袋に入っていて、これを選ぶときにも僕のことが彼女の頭を少しでもかすめていてくれたら嬉しいなあなんて思う。

 彼女が僕に何かくれるとか何かしてくれるっていうのは、彼女が僕のことを考えてくれたんだなって伝わってくるから嬉しくなる。彼女が誰かにプレゼントを用意するとき、時間を掛けて悩んだ末に決める。それをあげる前は喜んでくれるか心配するし、あげた後も本当に喜んでくれたのかってすごく心配する。真剣に相手のことを考えて選んでいるってわかるし、プレゼントをあげるという行為を彼女が重要視していることも分かる。

 誰へのプレゼントを選ぶ彼女の姿を何度も見ているからこそ、自分がプレゼントを貰った時には同じようにいっぱい悩んで考えてくれたんだなあって思う。それがすごく嬉しい。

 今日のチーズケーキはこのプレゼントの話とはまた別だけども。でも僕のことを考えていてくれたことは間違いない。

 こうやって彼女が作ってくれたものを食べられる幸せは、他のどんな美味しいものを食べるのよりも大きい。とってもおいしいし、何より彼女が作ったものというのが嬉しいから。