かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

癖のような思考

 今日は僕と彼女が一緒出掛けるとほぼ必ずやることについて書こうと思う。どこかに行くとか、何かを食べるとかそういうことじゃない。

 人間分析。一言で表すとしたらこれかな。

 例えばどこかにご飯を食べに行って、注文をして料理が来るのを待っている間。注文を取りに来た人の人となりを想像する。外見はもちろん、話し方や表情、動作という情報だけで性格診断をするのだ。職場での地位、立ち位置、仕事っぷり、あるいは私生活を、少ない情報から想像したこんな感じっぽいっていう診断結果を言い合う。面白いことに僕と彼女の分析結果は大まかな方向性が一緒で、だいたいその人物について抱いた感想が一致する。お陰でお互いの想像力の相乗効果によってその人に関する分析というか想造というかがどんどん盛り上がっていく。

 僕も彼女も、分析という行為が好きで、店員さんやら通りすがりの人やら、とにかく気になった人について考えを巡らせている。楽しく買い物をしていて、会話が盛り上がっていても視界の隅では周囲を行き交う人を気にしちゃうような感じ。僕も本来そういうタイプなんだけど、どうしても彼女といると彼女にばっかり目が行っちゃって彼女が「今の人見た?」って言ってきても見ていないってことが多い。僕の興味の大部分を彼女が占めているため、周囲への気配りが足りなくなっているんだと思う。

 この人間分析はとてもよい話題になるし、料理を待っている間とか暇な時間の退屈しのぎにもなる。

 あまりに分析が進み過ぎると、僕達の想像した性格が本当にその人の性格のような気がしてくるし、リアリティにあふれたエピソードを創造できる。実際は全くその人のことを知らないのに。答え合わせはできないんだけど、僕と彼女が出した結論はかなり精度高そうって思ってる。

 今まで僕は誰かを観察して分析して「こんな人っぽいなあ」って想像することはあってもそれを誰かと話し合うことはなかった。話し合いたいという思いが湧かなかったのもあるし、同程度の思考レベルで、同じような発想のできる相手がいなかった。その点彼女とは無意識のうちにそんな会話を繰り広げて盛り上がれる。僕が思ったことを彼女に伝えれば、彼女が理解してくれる、受け入れてくれるっていう信頼があるからだと思う。

 とある人物について、おとなしそうとか明るそうとか、そういうおおまかな外堀から攻めていって、だんだんと具体的な、中学校の頃は冴えなかったけど、高校デビューして無理してチャラチャラしている感じがする!みたいなエピソードを作り上げていくのはすごく楽しいし、彼女の発想が興味深い。自分と共通して感じていることと、更にそこから踏み込んだ発想が彼女にはある。僕だけでは見ることのできない世界を彼女となら見ることができるって感じ。

 彼女は僕の中の可能性を無限に広げてくれるような気がする。