かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

 今日は彼女とお出かけをしてきた。

 昨日の時点で当日のプランは、桜を見に行くことと、彼女がおいしいパンが食べたいと言っていたのでパン屋さんに行くことの二つをメインとして考えていた。ただ天気がよくないことは事前に分かっていたので、状況によっては桜は中止にせざるを得ないなーとぼんやり考えていた。そのため彼女にはきちんと計画を伝えず今日を迎えた。

 彼女を迎えに行く時間帯はパラパラと細かな雨が降っているくらいで、これなら桜を見に行けるかなって思っていた。

 いつものように彼女を助手席に乗せて走りだすと、今日はどうするの?って聞かれた。僕はちょっと天気が良くないけどそれでもよかったら桜を見に行こうと提案した。彼女も同意してくれたんだけど、ひとつ問題があった。彼女の服装と靴が徒歩での移動向きではないこと。僕が桜を見に行こうと思っていた所は広い公園で、少なからず歩く。僕がきちんとその情報を伝えて置かなかったから彼女はそれに備えることができなかったのだ。とっても申し訳ない気持ちになった。春っぽい服装でとても可愛かったのに、せっかく色々考えて着てきてくれたのにってすごく後悔した。でも彼女は怒らないで一回家に帰って着替えてくれた。彼女の優しさに救われた。

 今日彼女は誕生日プレゼントであげたネックレスをしてきてくれて、僕はすぐそれに気付いたんだけどなんだか気恥ずかしくて、してきてくれたんだって言い出せなくてタイミングを逃してしまった。本当は嬉しくて嬉しくてたまらなかったのに自分でもよく分からない所で恥ずかしがってしまう。これも今日の後悔ポイント。

 僕がネックレスをあげる前に買った服がとってもネックレスと合っていて、合わせて買ったと言われても納得するくらい素敵な組み合わせだった。もちろん彼女にすごく似合っていて可愛かった。

 ということで今日の出だしは大失敗をしてしまった。ぐだぐだしてしまって申し訳なかったなあ。

 それから予定通りお花見に向かった。道中は少し雨が降っていたのだけど、到着する頃にはあがっていて、僕達がぐるっと歩きまわって帰ってくるまで雨が降りだすことはなかった。おかげでゆっくり桜を見て回ることができた。

 桜の写真を何枚か撮ったんだけど、僕が真剣に桜に向かってカメラを向けていると彼女がカメラの前に立ってこっちを見てくる。もちろん桜じゃなくて彼女の顔が画面の半分くらいに写ってきて桜の写真は撮れない。でも僕はそれが楽しかった。間に入ってくる彼女が可愛いし、彼女の写真も撮れる。彼女の顔も半分くらいしか映らないんだけどね。ちゃんと桜の写真も撮った。タイミングを逃して、シャッターを切った数秒後にぴょーんって現れる彼女が可愛い。僕はそれが楽しくてしかたなかった。

 はらはらと桜の花びらが散っていて、その中を歩くっていうのがすごく気分が良かった。綺麗な桜を見ることができて嬉しかったけど、なにより彼女と一緒に来ることができて嬉しかった。

 桜を見ながら彼女と歩けて幸せだった。僕がしょうもないことを言って彼女が呆れたような顔をするのも、彼女が僕にちょっかい出してくるのも、全部楽しくて幸せだった。

 運動不足の僕達は車に帰ってきてちょっとへばっていた。運動しないといけない。

 彼女がケーキって言ったのをきっかけに僕のケーキ食べたい欲が高まって、近くにあるケーキ屋さんに向かったら定休日。ケーキ屋さんに行って定休日という展開に僕たちは慣れつつあった。しかたがないので当初の予定であるおいしいパンを売っているパン屋さんへ向かった。向かっている際中、彼女は歩いて疲れたのと日々の溜まった疲れによってぐったりしてしまっていた。思えば彼女は今日、もっとまったりするつもりでいたんだろう。ついついやりたいことを盛り込んでしまって、彼女の疲れを考慮していなかった。これも今日の反省点だな。

 おいしいパンを買い込んで、同じ店舗に入っているイタリアンなお店でケーキを食べることにした。値段で決めようか食べたいものを素直に選ぼうか迷って食べたいものを選んだ。後悔したくないしね。彼女は最近、紅茶を飲めるようになったらしい。以前は苦手って言っていて紅茶好きだった僕は少し残念に思っていた。今日もケーキと一緒に紅茶を注文して飲んでいた。彼女はティーカップを持って飲む姿がすごく様になっている。お嬢様っていう雰囲気でもないんだけど、すごくカップが似合う。素敵な彼女の姿を見れて僕は幸せだった。

 ケーキを美味しく頂いたあと、お店を見て回った。女性の買い物に男性は嫌々付き合っている、なんてイメージがあるけど、僕はそんなことなくて彼女と一緒にお店を見てまわることを楽しんでいる。彼女の好みがよくわかるし、似合いそうな服を見つけたら楽しいし、彼女がちょっとした小物を試しに身に付けてみてくれるのを見るのも楽しい。彼女は帽子とかヘアアクセサリー類がすごく似合う。びっくりするくらい似合うので、僕は毎回感動する。可愛い可愛い連呼して多分ちょっとうるさい。ニヤニヤしてるから気持ち悪くなってるかもしれない。でもそんなこと気にできなくなるくらい可愛い。

 彼女といると本当に一つひとつのことが楽しくて楽しくて、退屈だとか飽きたなんて考える隙がない。それに彼女も飽きた?とかつまらない?って気にしてくれる。きちんと僕のことを考えていてくれるって分かるからそれも嬉しい。

 途中頭が痛くなって、気分もあんまり良くなくなって彼女を心配させてしまった。そしたら彼女がちょうど持っていた頭痛薬をくれて、すごく優しくしてくれた。気分悪くてテンション下がり気味の時に優しくしてもらうと本当に嬉しいね。その優しさのおかげか、しばらくしたら体調も良くなってきた。

 夕飯食べられないかもって心配したけど、食欲も出てカレーを食べることにした。

 一時彼女とカレーばっかり食べに行ってた気がするけど最近それほどでもなかったのでちょっと久々感。でも一ヶ月前くらいに一回行ってるな多分。何を食べようか迷っている時の彼女可愛いのですごく優しい気持ちで見守っていられる。いつも彼女がどれにしようかなあって迷っている時、僕は心の中でどれでもいいよー食べたいもの食べなーって仏みたいな穏やかな心持ちでいる。おそらくいくらでも待てる。

 ケーキを食べている時もそうだったけど、向かい合わせに座ると首元で存在感を示しているネックレスが目に入ってきて、そのたびに嬉しくなっていた。似合ってて可愛いの。何度も何度もプレゼントしてよかったなあって思った。

 いつもより辛く感じるカレーを完食したところで今日のおでかけは終了。

 今日もすごく楽しかった。僕が楽しんでいるかどうか彼女はすごく気にしてくれるけど、僕は彼女が楽しんでくれているのかすごく気になる。疲れてないか、つまらなくないか、無理してないか。仲良くなって、お互いの距離がどれだけ縮まってもそういう部分の気遣いを忘れない関係はとても素敵だと思う。

 彼女がそういう気遣いをしてくれる人で良かったって思うし、きっとそういう人だからこれだけ好きになったんだなって思う。大好き。