かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

ちよこれいと

 今日絶対に書くものかと思ったことについて書くことにします。今日はそのことについてしか思いつかない。負けました。

 たっぷり誕生日をお祝いした翌日の今日は、彼女と一緒に仕事だった。昨日のことなのになぜかもっと前の日の出来事だったかのような感じがして不思議だった。なんだろうあの感覚。昨日歩きまわった疲れもあっただろうけど、今日の彼女も可愛くて素敵だった。

 さて、今日書きたいのはその誕生日というキーワードに関係したお話。

 みなさまは覚えてるだろうか。一昨日、彼女が泣いてしまった話を。そしてその場にいた僕と彼女ともう一人の存在を。

 Y君。おしゃれが好きで、裾が短くてくるぶし出ちゃうようなズボンを履いちゃう、高度なファッションセンスを持った男。仕事はできないけどやる気はあってメンタルが弱くて、いろいろ雑なやつ。だめなやつなんだけど憎めない。僕はY君のことを気に入っているし、彼女もそこそこ気に入っているはずだ。

 とにかく今日の話の中心にいるのは彼だ。

 仕事もあと1時間で終わるくらいの時間、今日休みのはずのY君が現れた。彼が現れたことに対して珍しいなと思ったものの大して疑問を抱かなかった。珍しいなと思った理由は、休日まで職場に来たくないというようなことを前に言っていたのと、実際休日に現れたことがあるのはどうしても必要な用事があった時だけだったからだ。今日はそんな必要な用事というのもなさそうに見えた。ちょっとだけ会話をしてY君はそそくさと帰っていった。

 しばらくして彼女が僕のところへやってきて「Y君からチョコ貰っちゃった」って言ってきた。いまいち状況が理解できなかった僕は、え?って聞き返した。どうやら一昨日、彼女が誕生日だって言ったのを受けて今日わざわざチョコを買って、わざわざ渡すために持ってきてくれたようだった。予期せぬプレゼントに彼女は嬉しそうだった。言わずもがな、僕は複雑な心境に包まれた。その心境を言い表す言葉を僕は知っている。やきもち。

 彼女のことを喜ばせているY君にやきもちをやいたのだ。

 今日のY君の行動はとっても素敵だった。誕生日と聞いて、プレゼントを用意して、渡しに来る。休日に他の用事があったわけでもないのに、わざわざ。イケメン過ぎるやんけ。思えば僕があの時、彼女はチョコ好きだから!っていう情報を与えていたんだった。敵に塩を送ってしまった。敵じゃないけど。ちょっとした敗北感が漂ったものね。勝負してないのに。というか彼が素敵なことしたからって僕に対する好感度や評価が下がるわけではないのに。でもなんか嫌だったの!Y君にプレゼント貰って嬉しそうな彼女を見ると心がもやもやしたの!

 僕だってチョコあげようとおもったさ!あげとけばよかった。もう遅いけど。

 やきもちやきもち。Y君の行動が素敵だったからこそこんな気持ちになるんだろうなあ。僕がY君の立場だったとして、同じことがスマートにできるのかなって考えてしまう。そしてうまくできないんじゃないかっていう思いが敗北感に繋がるんだろうなあ。

 昨日彼女を喜ばせられたことでちょっと自信がついて満足していた僕に、調子に乗るなと手厳しい一撃が加えられた形となった。

 彼女の嬉しそうな顔が可愛いのに、その笑顔は僕がもたらしたものではないっていうのがなかなかヘビーだった。

 こうやって書いているとすごく申告なダメージを受けたみたいだけど、そこまでじゃないよ!僕は元気です。

 ただチョコをあげればよかったってちょっと後悔しているだけで。

 今度Y君に会ったら褒めてあげよう。彼女が喜んでたよって。