かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

静まり返った駐車場で

 今日彼女が泣いてしまった。

 仕事が終わって、駐車場で少し話をしていたら彼女の中でいろんな感情が溢れでてしまったようだ。

 その場には僕と後輩Y君と彼女がいて、泣き出してしまった彼女を慰めてあげたかったんだけど、Y君がいるせいで僕は彼女に対していつものように声を掛けることができずもどかしかった。

 彼女が涙をながすときは、真っ直ぐ前を見つめている。俯いてしまわないからなみだを流しているのがよく分かって、その表情を見ると胸が苦しくなる。泣いている彼女が愛おしくて、涙を拭ってあげたくてたまらなかったんだけどY君がいる手前、我慢した。でもどうしても彼女の頭を撫でるのは我慢できなかった。Y君にどう思われようと、彼女に触れたかった。

 彼女が泣いてしまったのは、仕事終わりに労いの言葉を掛けてもらっている人がいる中、今日頑張って働いていたはずの彼女が労いの言葉をかけて貰えず、自分の頑張りが認められていないんじゃないのかっていう不安を抱いてしまったのが原因だった。ただ、それすらも要因の一つでしかなくて、ただ単に引き金になっただけかもしれない。彼女は最近疲れていて、昨日も僕のせいで余計に疲れさせてしまった。ゆっくりできる日が少なくて、彼女には肉体的な疲れも精神的な疲れも癒す時間が足りていない。そのことからも分かるように、彼女はすごく頑張っている。本当はゆっくりしたい日でも付き合いや、仕事の人手不足を補うために予定が入ってくる。僕と遊ぶ時間を作ってくれることも、彼女にとって何の予定もない貴重な休日を潰すことになる。

 そう、だからもしも今日彼女が、心体共に好調で元気いっぱいだったとしたら涙を流すまではいかなかったかもしれない。彼女はいろんな方向から追い詰められてつらくなってしまっていたのだ。そうなってしまった責任は僕にもある。

 僕とY君で、彼女を励ましていたらちょっとだけ笑ってくれて嬉しかった。Y君はちょっと邪魔だったけど、でも彼もいてくれたからこそ、深刻なな雰囲気に飲まれすぎずにいられたのかもしれない。彼女が泣いているっていう弱いところをY君に見られてしまったのはなんとも言えない気分だけど、ただ今日の彼の言動を見るに、泣いている彼女を見て励まそうって真剣に思っていたみたいだったし、場の空気を和ませてもくれたから感謝しておく。彼女がその後、Y君にうざがられなかったかなあって心配していたけど、大丈夫だと思う。彼は人の痛みとか苦しみは分かる人だと思うから。おいおい、なんかY君を褒めるブログになっちゃう。違うそれは全く書きたくない。

 頑張っているのを認められないことがつらくて、それを認められないということは自分は頑張っていないのかもしれないという不安が襲ってきて、頑張っているって主張している自分がうざいんじゃないかって思ってしまって。彼女の苦しみはよく分かる。自分が頑張っているって思っているのに、誰も認めてくれない、褒めてくれない、見てくれないっていうのは本当につらい。彼女の場合それが自分が頑張っているって思っているだけじゃなくて、外側から見た僕も彼女が頑張っているって思うんだから、それは思い込みじゃなくて事実だ。仕事をきっちりこなして、早く帰れるはずの日も人が足りないから時間を延長して働いて、疲れていて休みがもう少し欲しくても職場のことを考えてギリギリまで働いて。そんな彼女を頑張っていないっていう人がいたら許さない。

 彼女は本当に頑張っているから、その点に関しては何も心配しなくていい。僕が保証する。それを認められていないと感じてしまうのは周りの配慮が足りないからで、僕も彼女に感謝する気持ちや頑張ったねっていう気持ちを伝えることを忘れてしまっていたなって思った。彼女が頑張っていること、長い時間働いていることが当たり前すぎてそのありがたさを忘れてしまう。彼女の頑張りで助けられていることをもっとしっかり認識して、たくさん感謝したいと思う。

 泣いてる彼女可愛い。