かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

くっしょん

 彼女が欲しがっているクッションがある。すごくさわり心地がよくて柔らかいやつ。この間雑貨屋さんへ一緒に行った時に見つけた。確かそのこともブログに書いたと思う。見つけた日に買ってあげたくなったけど我慢して、いつか買ってあげようかなあなんてふわふわと考えていた。見つけた日が彼女の誕生日に近かったから、買ってあげて誕生日プレゼントだよなんてしてもいいかなあという考えも頭をよぎったけど、その場で購入してあげるのはあまりにもつまらない。彼女も喜んでくれるだろうけど、いまいち喜びきれないだろうって思った。

 そのクッションなんだけど、ちょっと遠出しないと買えない。ネットでも扱っているところを見つけられなかった。ある日、たまたまお店のある方に出掛けた僕は、ついでにお店に寄って買ってきてしまおうかと思った。でもその日は寄り道している時間の余裕がなくて諦めた。

 あとから気付いたんだけど、彼女は黄色が好きじゃない。そして雑貨屋さんにあったクッションは黄色と青。これ欲しいなあって言っていた彼女が持っていたのが黄色だったので、黄色を買うつもりだった。勢いで買いに行っていたら、黄色を購入して彼女に微妙な顔をされていたかもしれない。あ、でも彼女はちょっと淡い色だったら好きかもしれないから大丈夫だったかもしれない。いやでもだめだったかもしれない。とにかく、僕はその取り返しの付かない失敗を無事回避した。同時にあげたら確実に喜んでもらえるであろうプレゼント候補が一つ消えた。

 僕は彼女にあげたいものをリスト化している。軽くだけどね。いつ何かのきっかけでプレゼントすることになってもいいように。日々アンテナを張って、彼女が好きそうなもの気に入りそうなものをチェックしている。もちろん彼女が欲しいって言ったものとか気になっていそうなものを把握するのも忘れない。正直な所、僕は自分のセンスに自信がない。彼女の感性が素晴らしいから、僕はそこに見合ったものを彼女にプレゼントできるのかっていうのが毎回不安で不安でたまらない。

 彼女はプレゼントに金額を求めない、と思う。高かろうが安かろうが、彼女にとって貰って嬉しいものであれば喜んでくれるはずだ。高いお金を払って買ったものでも彼女が素敵って思わなければ、掛かった金額など意味が無い。物を金額で判断しないところがすごく好きだ。むしろあんまり高いものをあげると、これ高かったでしょ?って気にして申し訳無さそうにしてくれる。その姿が可愛いので高いものをあげるというのもひとつの手だ。歪んだ楽しみ方。

 クッションも確か3000円くらいのやつで、もっと安かったらあの時買うって言い出しそうな僕を止めずに、甘んじてプレゼントされていてくれたかもしれない。すっごく大きいクッション。彼女は枕にしようって言ってた。

 彼女が枕を欲しいっていうのは前から言っていて、そういえば任意で高さを調節できる枕をテレビで紹介していたぞ!と思って調べたら1万円越えていて断念した。気軽にあげられるラインを大幅に越えていた。

 僕がもっとお金持ちだったら、毎日のように彼女に何かプレゼントしてしまっていそうな気がする。孫が欲しいって言ったものをぽんぽん買ってあげるおじいちゃんみたいな感じね。

 どうせプレゼントするなら、心の底からわーいって喜んでもらえるものをあげたいけど、それって簡単なようでめちゃくちゃハードル高い。簡単なようですらないかもしれない。

 わーいってなるプレゼントをさらっと選んで、かっこ良く渡して、わーいってされたい。そんなスマートなイケメンになりたい。