かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

くっきー!

 今日はクッキーを作った。

 なぜ作ったかと言うと無性に食べたかったから。数日前から食べたくて食べたくて、作ろうか買おうか迷っていた。もちろん市販のクッキーで済ませたほうが楽だし、材料費のことを考えると安上りだろう。昔の僕ならば確実にクッキーを買ってきて済ませていた。だけど今の僕は一味違う。何かしようと思ったらすぐに彼女のことが思い浮かぶ。クッキーたくさん作ったら彼女にあげられるじゃんって気付いた。とても素敵な発想である。

 祝日で混んでいるかもしれないけど頑張って材料を買いに行くぞ、と決心して今日を迎えた。

 お菓子作りなんてしたことがないので、とりあえずネットでレシピを調べて必要な材料を把握したのち買い物へ向かった。参考にしていたレシピが20枚程度作れますよーっていうのだったから、僕は調子に乗って60枚くらい作ることにした。これがのちの失敗に繋がることを、その時の僕は知るよしもなかった。材料を買いながら僕が考えているのは美味しく作って彼女にあげたら喜んでくれるかなあっていうことばかり。自分がクッキー食べたいっていうのはいつの間にか二番目の理由に格下げされていた。彼女にあげるって思うとワクワクして楽しくなった。

 家に帰ってきて早速調理にとりかかった。無塩バターを溶かして、そこに粉糖を入れて混ぜて。粉糖を入れるまでに時間が掛かりすぎて溶かしたバターが固まりかけて、混ぜるのが物凄く大変だった。この時点でちょっと雲行きが怪しかった。そして薄力粉を入れる段階になった所で僕は気付いてしまった。薄力粉足りない。100グラムも足りない。5グラムとか10グラムとかだったらいいけど100グラム足りないって結構問題だろう。お菓子作りの経験値が少ない僕でもそれくらいは分かる。調子に乗ってたくさん作ろうとした無計画な自分が非常に腹立たしかった。失敗の二文字が僕の頭のなかをぐるぐるまわった。

 ただこの時点で混ぜている生地?が物凄くボテッとしてかたくて、これ以上粉を足して事態が好転するのかもよく分からなかったのでそのまま作業を続行することにした。なんとか形にして冷蔵庫で一時間寝かせ、オーブンレンジで焼くこと25分。いい匂いが部屋中に広がり、もしかしたら美味しく出来上がっているのかもしれない!と失敗したと思ってへこんでいた僕は急に元気が出てきた。

 焼き上がってすぐ、一つ食べてみた。思ったよりおいしい。食感もしっかりクッキーだ。薄力粉がもう100グラムあったらもっと美味しく出来たのかもしれないという思いも浮かんだけど、おいしかったので満足することにした。

 たくさん作ったのでもちろん食べきれない。彼女にあげる分を袋に入れて、残りも袋に入れて保存しておいた。

 次があるのか分からないけど、もしまた作ろうと思い立ったら今日の失敗を生かしてもっとおいしいクッキーを作ろうと思う。