かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

あいすくりーむ

 今ふとアイスが食べたくなった。それで思い出したけど、彼女はアイスが好きだ。コンビニへ行くと必ずと言っていいほどアイスの前で立ち止まる。買ったらすぐ食べなきゃいけないという制約があるから、購入することは少ない。でも食べたそうにしていることが多い。それは夏でも冬でも。

 そういえば昨日もソフトクリームを買って食べたんだった。ついつい僕も食べたくなって一緒に食べた。おいしかったなあ。

 彼女が好きなアイスはパルム。ジャイアントコーン雪見だいふくも食べてるイメージがある。ハーゲンダッツは食べたいんだろうけど高いから余程のことが無い限り買わない。確かラムレーズンはすきじゃないらしい。彼女はチョコが好きだけど、アイスは別にチョコにこだわっているわけではないっぽい。彼女の好みっていうのは一筋縄ではいかなくて、これは好きだけどこれは嫌いっていうのが結構複雑な気がする。食べ物に限らないけど、僕からするとその好きと嫌いと言われているものの違いがあまりわからない、ということがある。彼女のほうが感覚に優れているから、いろいろなものの違いとか差を感じ取れるんだろうなって思っている。それと、彼女は僕より圧倒的にいろいろなものに触れている。お菓子とかアイスとか、僕が食べたことも見たこともないような物を知っていて、これは美味しいよとか教えてくれる。だからこそ、あれはいいこれはだめっていう判断が細かく下せるんだろう。

 思えば前から彼女はアイスコーナーで立ち止まることが多くて、僕も一緒にアイスを見ていたのに、彼女がアイス好きなんだなあっていう発想に至ったのは比較的最近だった。長く一緒にいても、よくよく考えると彼女ってこれも好きなんだなっていう発見が出てくるから楽しい。僕が気付いていない彼女、知らない彼女っていうのを少しずつ見つけていって、彼女の新しい一面として僕の中に刻んでいけるのが嬉しい。彼女の情報で僕の頭のなかが満たされていくことに幸せを感じる。

 影響されやすい僕は、彼女がアイスって言っているのを聞いて、彼女と一緒にいないときでもアイスが気になるようになった。以前はチョコでそういう現象が起こっていた。先ほどふとアイスが食べたくなったのは本当にたまたまだけど、冷凍庫にアイスがストックされていて食べることができたのは、彼女のお陰で気になって買っておいたから。

 そうやって色んなものが強く彼女と関連付けられて、僕はそれらを目にするたびに彼女を思い浮かべている。ちょっと見方を変えれば、周りに彼女が溢れているなんて言えるかもしれない。

 よく彼女が冗談で、私はあなたの心の中にいるよみたいなこと言うけど、それもあながち間違いじゃないのかなと思った。