かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

よてい

 こんなことを言っても自虐にしかならないからなんにも面白くないだろうけど、僕には普段連絡を取り合って遊ぶような仲の友達が少ない。友達の絶対数が少ないとも言える。浅く広くよりも、深く狭い交友関係を求めてきた結果かもしれないし、単に僕の人望の無さかもしれない。なんにせよ、今僕が自ら進んで連絡をして遊びたいと思うのは彼女だけだ。誰かと遊ぶくらいなら彼女と話す時間を優先したいって思う。そんな僕にもたまには予定が入って彼女よりその予定を優先しなくちゃいけないときもあるんだけどね。

 そもそも誰かと遊びたいって思った時に、相手と予定を合わせるっていうのがすごく難しい。大学時代の友達と遊ぼうと思っても、休みの都合が全く合わない。事前に遊ぶ日を決めておいて休みを取るっていうのもなかなか難しい。

 その点彼女はそういうのをうまくやっているなって思う。少ない休みの中でうまく予定を入れて、うまく人付き合いをしている。うまくというのは少し違うのかな。彼女には丸一日休みっていう予定のない日がほぼ無い。何かしら予定が入っていて、毎日忙しそうだ。その中の貴重な休みを僕と遊ぶことに使ってくれているしね。

 はたから見れば、彼女はうまく予定をやりくりして充実した日々を送っているように見える。でも実際は疲れが溜まっていてゆっくり休みたいと思っている。休みたいって思っているけど頑張って予定をこなしているのだ。無理してるとも言えるかもしれない。それでもどこかで遊ぼうって言われればうまく予定を入れるし、外せない予定がある日でも休みを取らずに仕事を早く切り上げて対処したりする。

 彼女がよく予定を忘れるからって僕にも覚えているように頼んできたり、手帳に予定をマメに書き込んだりしているけど、彼女が忘れっぽいんじゃなくて、把握していられないくらい様々な予定が詰め込まれてるんじゃないかなあとも思う。彼女は僕の何倍か忙しい。僕なんてこの休みの日に彼女と遊ぶってことを覚えていればいいくらいだからね。

 僕のように狭いコミュニケーションで満足している立場から見ると、彼女は人付き合いがうまいなあと感じる。社会人として備えていなくてはならない社交性をしっかり持っているような。嫌な人とは関わらない、付き合いの浅い人とは無理に連絡を取らないとか考えてしまう僕にとって、彼女のようにうまく立ち回れるのは素晴らしいことだと思う。

 もちろん人付き合いにおいて彼女は無理をしている部分もあるし、ストレスを溜めたり、不安になったりもしている。そういうものを感じながらも、それを投げ出してしまわない強さが素敵だなと思う。そういう部分において彼女はすごく大人だ。面倒な人間関係を上手にこなしていける力を持っている。僕が彼女のようになろうとしてもそううまくはできないだろう。だから僕は彼女を目指すのではなく彼女を支える立場でいたいなあと思う。