かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

好き嫌い

 今日、僕と彼女と上司を含めた三人で好き嫌いの話をしていた。上司は既婚者だから、お嫁さんが料理に苦労しているみたいな話だった。気を配って料理してくれるけど、それでも嫌いなものは出てくるからそれは我慢して食べるみたいなことを言っていて、僕もきっとそうだろうなあなんて考えていた。

 その上司の話を聞いていた彼女は、私だったらそのまま出すって言っていた。好き嫌いとか考慮しないっていうニュアンスだったと思う。実に彼女らしいなあって思った。そうは言いつつもきっと、気にしてくれるんだろうけどね。

 そんな彼女の発言を聞いていて、もしも彼女がご飯を作ってくれたらって想像してしまった。

 僕もきっと、嫌いなものが出てきたとしても我慢して食べる。ちょっと前の僕だったらそのまま我慢して黙々と食べるんだろうけど、今は彼女に対してこれはちょっと苦手だわーって言えると思う。

 そう、ちょっと話がそれるけど、僕は彼女に対して自分の主張を述べることが苦手だったんだけど、最近良くやっているなって自分で気付いた。彼女にちょっとでも嫌な思いをさせるくらいなら自分が黙っていようっていう思いが少なからずあった。例えば彼女がお菓子食べたいって言ったら、やめといた方がいいんじゃないっていう言葉をぐっと堪えて、食べていいよーって言ってきた。でも最近はやめといたら?って言えるようになってきた。自分でも気付かないうちに言っているというのが正しいのかもしれない。それによって別に彼女が嫌な気持ちになるわけでもないし怒るわけでもない。僕が必要以上に自制していただけなんだと思う。とまあそんな感じ。

 彼女が嫌な思いをするかしないかっていうのは結局、伝える内容よりも伝え方による部分が大きい。だからさっきの例をとって見てみると、お菓子を食べたいって言った彼女に、太るからやめなっていうのと、今日は我慢しようって言うのとでは彼女に伝わる印象が違う。どっちにしても食べたいって言っている彼女の気持ちを否定してしまうことにはなるけど、彼女の気持ちをくんだ上での発言であれば彼女はきちんと納得してくれる。彼女は頭がいいから、僕がどういう意図で言ったかを理解してくれる。

 というわけで僕が嫌いなものを彼女が出してきたとしても、僕はそれを我慢に我慢を重ねる必要はないわけだ。嫌いなものは嫌いって言えるし、苦手なものは苦手って言える。それってなんだか素敵って思った。世の中にはそれを我慢して料理を食べている人もいるんだろうなあって。

 今すごく彼女の手料理が食べたい。作ってもらいたい。僕が食べたいものじゃなくていい。彼女が作りたいもの、食べたいものでいいから食べさせてもらいたい。

 好き嫌いの話をしていている間、ずっと彼女の手料理妄想をしていたのでした。おわり。