かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

メカ

 彼女は機械と相性が悪いらしい。

 全く使えないわけじゃないけど、細かい部分の使い方を把握していなかったりする。スマホだったりパソコンだったりDVDプレイヤーだったり、電化製品全般で。彼女の努力次第で使える使えないは変わってくるけれども、彼女の持つ機器類は基本的に調子が悪くなる傾向にあるらしい。面白い。これはもう彼女のせいとかいうものを超越している。彼女から謎の電磁波が出てるとか、常に静電気を身にまとっているとかそういう何かがあるのかもしれないと疑いたくなる。そういうこともあってか、彼女自身必要なことができればいい、くらいの認識でいるようで深く使いこなそうと思わないみたい。その点僕はパソコンとかスマホみたいな電化製品が好きだから、彼女の不得意分野をカバーできるので調子にのっちゃう。

 以前、彼女のパソコンの調子が悪いから、僕が手を入れて快適に使えるようにしようって頑張った時があった。

 あの時はまず下準備として、パソコンの型番が分からないとパーツを変えようにも変えられないので、ネットで彼女のパソコンと同じパソコンの画像を探しまくった。何年前に買ったかを聞いてその当時発売されていたパソコンを片っ端から探した。外見が同じでも中身が違うパターンがあるので、事前に覚えておいた彼女のパソコンのスペックと照らしあわせてやっと特定することができた。

 性能向上のために必要なパーツがわかった所で、それをどこから手に入れるか考えたけど五年以上前のものだから簡単には手に入らない。もう生産はされてないしね。中古パーツをネットで探して、色んなサイトを見たけどヤフオクが一番安く手に入りそうだということで初めてヤフオクに手を出してみることにした。

 思ったよりすんなりとパーツを落札できたので、休みの日に彼女にパソコンを持ってきてもらってパーツの入れ替えを行うことにした。それが全然うまく行かなくて、さんざん試行錯誤したあげく、一旦家に持ち帰ることにした。

 家に持ち帰ってきてずっとパソコンとにらめっこして、どれくらい時間がかかったかは覚えてないんだけどなんとかパーツを取り替えて、僕の体感だとかなり動作が良くなった感じがした。そのことを彼女に伝えると喜んでくれて、っていうくだりは前にブログにも書いた気がする。

 それで、自信たっぷりに出来上がったパソコンを彼女に渡して、その日の夜、彼女に「どう?パソコンの動作早くなったでしょ?」って聞いたら「よくわからない」というお返事が。一人でテンション上がってパソコンをいじっていた自分と、彼女との温度差を感じて面白かった。調子に乗ったのが見事にスベってて笑える。

 最近パソコンの具合について話をしないから分からないけど、頑張ってくれているんだと思う。寿命が近そうだったから延命治療ができたと思ってよしとしておく。彼女も感謝してくれたしね。

 スマホの使い方だったり、Bluetoothのイヤホンの設定だったり、パソコンのことだったり、そういうのを僕を頼って聞いてきてくれる彼女が可愛い。わかんないー!ってなっちゃってるとあわあわするけど、僕にはなんとかそれを解決する術を見つけることができるからお役に立ててる感バッチリである。

 電化製品の使い方ばっちりで、その話題で盛り上がれるっていうのも楽しいかもしれないけど、使い方が分からなくて頼ってくれる、僕に任せてくれるっていうのは良いなって思う。僕が彼女に対して教えるとかやってあげるっていう立場になれるのはこういうことくらいしか無いんじゃないかなって!もっとなにか欲しいけどさ!機械に強い男はかっこいいみたいなことを昔彼女が言ってくれていたような気がするから、そこは胸を張っていたいと思う。