トークスキル

　彼女と話をしていると、ついつい聞き手にまわってしまう。彼女の話題が豊富なこと、僕の話題が乏しいことで自然と彼女がたくさん話をしてくれる流れになる。彼女が話題を提供してくれることに甘んじてしまっていたけど、彼女も色々考えて話をしてくれて、僕がそれをただほうほうって聞いているだけっていう、僕が楽をしているような状態になっていた。

　彼女にばっかり話題を考えさせて、僕はそれに相槌を打つだけみたいな。それはよくない。ただ僕は面白い話をして、なんて言われると困ってしまって何も言えなくなってしまうくらいユーモアというものとかけ離れている。それでもなんとか彼女と楽しい話をしたいから話題を探したり、考えたりするようにしている。そうしていると思うのが、彼女はきっと僕と同じ体験をしたとしたら、僕がその体験の中で話す話題は一つしかなくても、彼女はいくつも見つけられるんだろうなっていうこと。目の付け所が違う。

　実際仕事での話なんかも、そういうところを観察しているのかって関心するような話をしてくれる。何気なく仕事をしていたら気付かないような、意図的に観察していなければそのまま流してしまうようなことを彼女はしっかり覚えていて話してくれる。ちょっと気になった人のことを覚えていて、この間のあの人が来たよとか、よく○○する人がいるという話とか。同じ職場の僕が全然気付かなかったことをしっかり見ている。それに人の特徴を捉えるのが上手いと思う。

　また彼女は話を伝えるのが上手い。こんな人がいたっていうのを話すときに、まずその人がどんな人か、見た目とか雰囲気とか性格はこんな感じっぽいとかそういうことを詳細に話してくれる。僕がそんなことを頑張って伝えようとするとどうにも漠然としてしまって相手がイメージしにくくなってしまう。前提としての人物像を伝えてくれた後に、エピソードを話してくれるんだけど、それがまた分かりやすい。状況説明が上手い。相手がこう言ったから、自分はこう返してっていう話を順序良く並べて話してくれて理解しやすい。僕が聞き手の立場でいるとそれがすごくスラスラとでてくるので簡単そうに思えるんだけど、実際自分がやろうとすると全然うまくできない。良かれと思ってした補足が蛇足になってしまったりする。

　彼女は話題に一貫性がある。話があっちに行ったりこっちに行ったりしない。話がそれるときは、それた方がメインになって元々の話題にはしばらく戻ってこないのである意味一貫している。だからこそ聞いている方は楽だし、分かりやすいんだと思う。

　彼女のようにうまく話をするのは難しいかもしれないけど、僕ももっと彼女を楽しませてあげられるように頑張らないといけないなと思いました。おわり。