かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

写真

 僕にはお気に入りの写真が一枚ある。もちろん彼女の写真だ。

 彼女と一緒に水族館に行った時、僕はカメラを持参していて彼女の写真を何枚か撮った。僕は別にカメラの知識があるわけでもなく、日頃から写真を撮るのが趣味というわけでもないので、あまり上手くは撮れない。ただ写真を撮るのは好きだ。

 水族館に行って写真を撮れるということで僕はうきうきしていた。それ以上に彼女と来ることができてうきうきしていたんだけども。

 水族館に行った目的はシャチだったんだけど、シャチの公開トレーニングが始まる時間まではすこし時間があった。館内を見て回っていると、骨格標本が並べられているフロアがあって僕たちはそれを熱心に眺めていた。そこで僕は少し離れた場所から彼女を見ていたんだけど、そこの照明と彼女の姿がいい感じに合っていて素敵で、思わずシャッターを切った。

 明るさの強くないオレンジ色の温かい光と、その光を受けてうつむきがちに立っている彼女が物凄く素敵で、僕は写真を撮った瞬間にいい写真が撮れたって嬉しくなった。

 その時の写真が僕のお気に入りの写真というわけなんだけど、本当にこの写真が大好きでよく眺めている。データからちゃんと印刷して置いてもある。今ちょっとデスクトップの画像をその写真にしてみた。とっても良いけどここまでするとちょっと気持ち悪い人になってしまうかもしれない。

 その後も水族館では写真をたくさん撮った。シャチの写真ばっかりだけどね。面と向かって人を撮るのって意外と難しいしなんとなく気恥ずかしく感じてしまう。多分それは撮られる側も同じだよね。僕はその辺を自然に撮るっていう技量が足りないようだ。だから彼女の写真は少なかったけど、撮れた写真の彼女は僕の目で見たいつもの彼女と同じ、色が白くて可愛くて気取ることのないそのままの彼女がそこに写っている。

 彼女の写真を撮ったのはこの日と、仕事に使う写真が必要ってことで撮った時の二回だけ。また彼女の写真を撮りたいなあって思う。僕が素敵だなって思った瞬間を写真に残せたらすごく良いんじゃないかな。写真の技術に自信はないけれど、彼女の素敵な表情とか持っている雰囲気をうまく撮ることはできると思っている。僕の目を通して見た彼女をそのまま写真に撮ればいいだけだから。また彼女とどこかに出掛ける時にカメラを持って行こうかな。そしてお気に入りの写真を増やしていけたらいいな。