かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

掌握

 彼女は本当に僕の言いたいことを上手く汲み取ってくれる。僕の行動の裏にある思いを正確に推察してくれる。

 僕は今まで仲良くしてきたた人達には、お前ってよく分からないって言われ続けてきた。僕の思考がふらふらしているからなのか、そもそもしっかりとした考えを持っていないからなのか、理由はいまいち分からないけれどみんなから見て僕という存在はいまいちよく分からない人だったらしい。

 そういえば誕生日プレゼントになにあげれば良いか分からないってよく言われた。複数人に。

 彼女は僕の喜ぶものをよく分かってくれているし、僕が必要としているものもよく分かってくれている。誕生日プレゼントもどうしてこんなにも欲しいと思っていたものをくれるんだろうって思った。何欲しいって聞かれてもないし、僕がこれ欲しいですってアピールもしてないのに。その事実に思い至った時に、あぁきっと僕のことを一番理解してくれているのは彼女なんだろうなって思った。

 彼女には僕というものを理解されすぎていて、上手いこと手のひらの上で転がされてるなって感じるときもある。あえて僕が嫌がることを言ったり、あえて期待感を煽ってみたり。もちろん喜ばせてくれもする。それが楽しいので僕も全力でそれに乗っかっていく。思えば転がされにいっているのかもしれない。

 前に知り合いから、お前は尻に敷かれるタイプではなく敷かれに行くタイプだと言われて、なるほどなと思った。間違っていないような気がする。

 それと同じような感じで、彼女が僕を理解してくれることに対して、僕自身が協力しに行っているっていうのはあるなって思った。やっぱり彼女には僕というものを理解して欲しい、分かって欲しいっていう思いは常にある。だから他の誰にも見せないような一面を見せているし、僕の思いもできるだけ言葉にして彼女に伝えようとしている。

 今まで僕は他人に踏み込まれたくない部分っていうのがあったし、自分一人の時間、趣味の時間みたいなのも欲しいなって思っていた。彼女と出会って彼女を好きになって、そういうもの別にいらないなと思うようになった。それよりも彼女と連絡を取る時間、一緒にいる時間のほうが重要だし、彼女だったら僕の内側にまで踏み込んできてもいいと思える。ごく自然にそんな思考になる。

 僕が心をこれでもかっていうくらい開いているのに加えて、彼女の読み取る力、理解力の高さが僕というものを彼女がとてもよく把握してくれている理由だろう。

 自分をこれだけ理解している人がいるというのはとても幸せなことだと思う。あ、でも僕が下心を持って何かした時にそれを見透かされてしまうので恥ずかしい。彼女に褒めてもらいたくて何かした時に、褒めてもらいたいの?なんて言われたら僕はもう何も言えないよね。あ、これは例えばの話で、こんな会話が実際に交わされた覚えはない。

 こんな感じで自分のことを理解してくれる人が理想だった。そんな理想の人が今そばにいてくれる。とても素敵なことだよね。