かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

進歩

 どうやら僕はやきもちをやいているらしい。最近は職場で彼女が誰かと仲良くしていてやきもちをやくっていう事がなくて平穏だったんだけど、久方ぶりに嫉妬心を感じてしまった。

 ちょっと前に入ってきた新人と彼女が話しているのとか、彼女が新人に世話を焼いているのを見るとなんとも言えない気持ちになっちゃう。新人のことはファオタと呼ぼう。ファッションオタクだから。

 ファオタに構ってないで僕と一緒にいて欲しいなって思った。ファオタと話すなとか構うなっていう風には思わないんだけど、あいつと一緒にいるくらいだったら僕の所に走ってきて欲しいなあって、ちょっと寂しかった。僕がこっちで作業している時に彼女はあっちの方でファオタと何か話してるんだろうかとか思ったら、うわあああってなった。でも、彼女にすごく大切に思われてるって実感したばっかりだし、別に僕のことをないがしろにしている訳でもないから、こんな感情を抱いてしまって申し訳ないって気持ちになった。

 今までの僕ならここで終わって、あぁへこむなあ、悲しいなあ、なんて思いながらしょんぼりして、彼女にどうしたのって心配されていただろう。だから僕は勇気を出してこの気持ちを彼女に伝えてみようと思った。やきもち妬いちゃったって言ってみようって。

 その場ですぐには言えなかったから、帰りにコンビニへ寄って車で話をしている時にタイミングを見計らって言ってみた。認めたくないけど、ファオタに世話を焼いているのをみるとやきもちやいちゃうみたいって。彼女はニヤニヤしながらやきもちやいちゃうのー?って楽しそうだった。ちょっといじられた。それからやきもち妬いてる顔してるなって思ってたって言われた。バレてた。

 自分の気持ちを素直に伝えるのってすごく勇気がいる。それに恥ずかしい。いつもは、これを彼女に伝えたらどう思われるだろうとか、ウザがられるかなとか考えて言い出せず我慢しようって考えに至る。それが逆に彼女に対して不快な思いをさせる結果に繋がってしまうんだけど、それを分かっていながらなかなか改善できなかった。でも今回は言えた。素直に話してみようって思えた。彼女にたくさん思われているって昨日分かったことが僕の行動力に繋がったんだと思う。僕の勝手な思いだけど、きっと彼女は受け止めてくれるって思えた。僕のちっぽけな嫉妬心を笑い飛ばしてくれるだろうって思えた。いい意味で彼女に対して甘えるっていう方法が少しだけわかった気がする。

 たぶんこれからも彼女がファオタを構っているのを見たら嫉妬してしまうんだろうけど、そしたら彼女に甘えてみようと思う。