かばのにおい

「彼女」について綴るための場所。非常に私的な内容となりますのでご了承ください。

見えない裏側

 今日後輩に仕事を教えていて気付いたことがある。

 彼は調子に乗りやすくて話をあんまり聞いていなくて、仕事ができるとはいえないような感じだけどやる気はある。そんな彼に僕はわりと厳しいことやうるさい指摘をしている。仕事以外の部分でのツッコミもわりと遠慮無くしている。彼もそれを真剣に聞いてくれているようだし、会話を楽しんでくれているようにも思う。でもそれが実は嫌々なんじゃないかっていう思考に至ったのだ。僕が先輩だから僕が言いたいように言っているのを受け入れてくれているんじゃないかって思った。本当は嫌なのに。

 そしてそれを考えた時にふと彼女のことが思い浮かんだ。彼女はみんなに嫌われているんじゃないかって気にしている。だからきっと僕が今日考えたような事をもっともっと考えて苦しんでいるんだろうって気付いた。それまでも彼女のつらさってのは理解しているつもりだったけど、自分が同じ思考に至ることによってより彼女の気持ちを理解できた。

 それだけ彼女が色んな人に対して近い所で真剣に接しているんだろうって思った。僕は今まで極力人と深く関わらないようにって思っていたから、彼女の状態を理解できてもどうしてそう思うかっていうのをいまいち理解していなかったかもしれない。彼女は僕よりも真剣に一人ひとりのことをきちんと考えて、その人のためを思って行動している。僕みたいにどうでもいいやっておもったりしない。真摯に接しているからこそ相手からの評価が気になるし、相手の事を思った発言でもそれがうまく相手に届いていないかもしれない、それによって嫌われてしまっているかもしれないって考えてしまう。僕も今回後輩に真剣に仕事を教えている過程でそのことを考えたから、ぴったりではないにしても近いことを考えているはず。

 これってでも主観だと分かりにくいけど客観的に見るとわりと簡単な話で、僕から見た彼女は決して誰からも嫌われているようには思えない。僕もきっと他の誰かから見たら後輩に嫌われているようには見えないんだと思う。それでも不安は生まれてしまう。僕は彼女に生じるその不安を取り去ってあげたいって思う。

 僕が知る範囲において彼女は誰からも悪口を言われていないし疎まれてもいない。彼女がすごく気配りしていること、相手のことを考えて接していることは伝わる人にはきちんと伝わっているし、結果も出ている。伝わらない人もいるけど、それは決して無駄じゃない。彼女は相手の求めていることを上手く読み取って、相手に合わせることができる。とはいえ根本の部分は揺るがない。彼女というものがあっちへ行ったりこっちへ行ったりするわけではなく、彼女の基本的な考えは揺らぐことなく相手に上手く合わせている。その安定した感じ、彼女の変わらない部分が僕は好きだ。なんていうんだろう、自分の意見をねじ曲げてまで妥協してしまうことはないというか。しっかりと自分というものを持っている。彼女の凄く良い所だと思う。尊敬できる所でもある。

 彼女が仮に嫌われたり疎まれたりすることがあっても、原因は彼女ではなく相手のほうにあるんじゃないのかなって思うのが僕の正直な意見だ。これは別に彼女の事が好きだから味方しているというわけではなく、彼女の発言やその発言の裏にある思いやりを汲み取れないのがいけないんだろうっていう。彼女の言っていることをしっかり受け止めようと思えばおのずと分かってくることだから。

 結論!僕も彼女もたぶん嫌われてない!おわり!